投稿者: 院長 藤田勇

  • 【改善事例】皮膚の湿疹に悩むエステ店長

    38歳 女性 群馬県 伊勢崎市

    主訴

    湿疹 皮膚のかゆみ 腰痛

    症状

    2年前に足に湿疹がではじめたことがきっかけで、現在は全身に出ている。

    9月10月にひどくなる。

    病院ではステロイドとかゆみ止めが出されて、使い続けていくことと言われている。

    小さいころにはアトピー性皮膚炎だった。

    5、6年前にぎっくり腰になった。

    寝つき悪く、夜中に目が覚める。

    エステティシャンで、お店の店長であり、仕事が終わるのが遅く、帰宅が夜9時過ぎになってしまうので、食事も遅く、就寝も遅くなってしまい夜更かしをしてしまう。

    毎晩ビール500mlを飲んでいる。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    瘀血、肝臓弱体、扁桃弱体、椎骨脳底動脈に問題があり、それに対する治療を中心におこなった。

    毎晩お酒を飲んでいて、肝臓弱体の反応が出ているので、休肝日を作るようにアドバイス。

    使用したツボは、陰陵泉 四瀆 曲池 太衝 肩髃 築賓 崑崙 天柱etc

    経過

    美容鍼に以前から興味を持っていて、当院でも受けられるとしり、二回目からは上記の症状に対する治療と同時に美容鍼も一緒におこなっていった。

    二回目の治療後、かゆみ軽減。かきむしる事は無くなった。

    お酒の量も少なくしたとのこと。

    美容鍼の効果は、顔の触った感じがとても良い。化粧水のしみ込む感じが全然違う。

    三回目の治療後、腹部のかゆみは無くなって来た。膝窩はかゆい。下腿もかゆい。かゆみが強い時は、むくみが強くなる。

    四回目の治療後、強いかゆみは無い。体調も良い。

    五回目の治療後、足首の内側の一部分だけがただれてかゆみが強い。

    その他はかゆくない。

    六回目の治療後、足首のかゆみは変わらず。

    お店のスタッフに、美容鍼のことは何も言っていないのに、肌の状態が良いことに対して「何かやっているんですか?」と言われた。

    その後、体の治療、美容鍼ともに間隔を広げ、二週に一回、そして月に一回としていった。

    半年後、かゆみもほとんど無い状態になった。

    皮膚の症状に使えるとっておきのツボ

    皮膚の症状全般、特に湿疹や皮膚のかゆみに使えるとっておきのツボがあります。

    それが、肩髃築賓です。この患者さんにも使用しています。

    この二つのツボは解毒のツボとして有名です。

    皮膚の症状は、体内の毒が体表に出てきたために起こることが多く、皮膚だけをみてどうにか治療を使用とすることは的外れになってしまいます。

    このため、東洋医学では、体内の毒をデトックスすることで皮膚の症状を改善させていくわけです。

    この二つのツボには、鍼も良いですし、お灸も良いです。

    また特筆すべきは、パッチ鍼のような、ずっと貼っておけるミニ鍼がとても使い勝手が良いです。

    貼ってある間はずっとかゆみが抑えられていて、剥がれるとスグにかゆくなるというケースが多く、ヘタなかゆみ止めを使うぐらいなら、このツボにパッチ鍼などを貼っている方が効果が高い印象です。

    エステティシャンも認める美容鍼の効果

    この患者さんが店長を務めるエステ店では、外部から美容鍼灸の先生が月に一度やってきて美容鍼の施術をしていくそうです。

    そういったこともあり、以前から美容鍼にも関心を持っていました。

    大成堂には、体の治療目的で来院されましたが、美容鍼のメニューもある事を知って、治療と美容鍼を同時に受けられることになりました。

    美容鍼の効果に対しても、エステティシャンという職業柄、明確に実感をされていました。

    また、美容鍼を受けていることを知らないスタッフから、顔の状態が良いことを指摘されることもあり、絶対の信頼をいただくことになりました。

    美容に意識の高い人ほど、その効果を実感されています。

  • 【改善事例】介護の仕事で腰をいためてから坐骨神経痛に悩む60代女性

    63歳 女性 埼玉県 本庄市

    主訴

    右坐骨神経痛 腰から足先まで痛みがあり、特に膝裏が痛い

    症状

    4ヶ月前、介護の仕事で重い人を動かしたときに、腰と臀部に違和感を感じ、徐々に下肢まで痛みが出現するようになる。

    当時、ペインクリニックを受診して、坐骨神経痛と診断され腰と膝にプロック注射をしたが改善せず。

    鍼灸治療も受けたがダメだった。

    歩行時に、痛みで右膝に力が入らない。

    脚の付け根も痛く、歩行が不安定。

    この痛みのためか、肩が凝って仕方ない。

    血圧150/90あったため、服薬し130/80にコントロールされている。

    心音に多少雑音があると指摘されている。

     

    治療

    週一回のペースで治療をスタート。

    坐骨神経痛に関しては、梨状筋に問題があるため、そこを緩める治療を中心におこなった。

    また、瘀血、扁桃弱体化も見られたので、同時にその治療もおこなった。

    使用したツボは、中封 曲池 陰交 中殿筋トリガーポイント 陽陵泉etc

    経過

    一回目の治療直後、歩行時の痛みが軽減し、驚き喜んで帰って行った。

    10→5程度にまで軽減。

    四回目の治療後、10→3程度まで軽減する。

    階段の上り下りはまだぎこちない。

    腰から脚にかけて重くなることがある。

    その後も、10→3程度に安定していた。

    一度階段でガクッとなり、膝に違和感が残りやや腫れることがあったが、合計七回の治療で10→2程度に安定。

    その後も、二週に一回のペースで治療を継続。

    仕事で使い過ぎた時など、違和感がでることがあったが、順調に軽減していき、月に一回のペースにまで間隔を広げ半年間治療を継続。

    ほとんど違和感もなくなったため略治として、治療を終了した。

    坐骨神経痛はヘルニアが原因ではない

    多くの坐骨神経痛は、ヘルニアが原因ではありません。

    整形外科ではレントゲン撮影して少しでも変形していると、「ヘルニアが」とか「骨棘が」とか言い、それを原因にしたがります。

    それが原因の場合も無いことは無いですが、ほとんどのケースでは、それが原因ではありません。

    この患者さんもそうでしたが、梨状筋とか小殿筋、中殿筋などが原因の場合がほとんどです。

    そのため、これらの筋肉にアプローチして、過緊張を緩めることで、坐骨神経痛の症状は速やかに改善していくことが非常に多いのです。

  • 【改善事例】めまいでフラフラするフラダンスの先生

    78歳 女性 群馬県 桐生市

    主訴

    フラフラするめまい 眠りが浅い 

    症状

    1ヶ月ほど前から、座っているところから急に立ち上がるとフラフラとめまいがおこるようになり、2週間前からひどくなってきている。

    タヒチアン、フラダンス教室の先生。

    発表会が重なりストレスがあった。

    またご主人が倒れて入院し、その看病での疲労が続いた。

    3年前より、時々立ち上がる時にフラっとする事はあった。

    病院でさまざまな検査をしたが、すべて異常なし。

    「疲れですよ、ご主人の看病で」と言われた。

    4、5年前より睡眠が浅く、寝てから2、3時間ほどで目が覚める。

    目が覚めてからは1時間ほどゴロゴロしてうつらうつらして朝を迎える感じ。

    月に3日ぐらいはぐっすり寝られることもある。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    椎骨脳底動脈、頭部瘀血の問題があり、それに対する治療をおこなった。

    使用したツボは、百会 陰陵泉 四瀆 崑崙 天柱etc

    経過

    一回目の治療後、二日間体がだるくめまいが出そうな感じだった。

    その後、フラフラ感は10→5程度に。

    首肩のはり、目の疲れを感じる。

    二回目の治療後、めまいはほとんどない。

    夜眠れるようになってきている。

    三回目の治療後、夜寝る時は英会話のCDを聴いているが、なくても寝られるようになっている。

    目がショボショボすると言うので、目のツボとして攅竹、太陽を加えたところ、治療直後に目がはっきりした。

    計六回の治療で、めまい、睡眠ともほとんど問題が無い状態になったため、略治として治療を終了した。

    素直な体の患者さん

    この患者さんは、高齢にもかかわらず非常に経過が良く、二回の治療でめまいはほとんど大丈夫な状態になった。

    睡眠の問題も数回の治療で改善し、六回の治療で終了となった。

    毎回の治療時に、速やかに体が変化していくので、短時間で治療は済んでしまっていた。

    基本的に、治療時の体の反応が速やかなケースは経過が良く、この患者さんも同様に速やかに改善していった。

    「素直な体」と呼んでいるが、これは患者さんが本来持っている体質と性格の二つの要因が関係していると思われる。

  • 【改善事例】子宮内膜症、首肩こり、そして妊活へ20代主婦

    27歳 女性 主婦 群馬県 太田市

    主訴

    子宮内膜症 首肩こり 妊活  

    症状

    学生時代から生理痛があった。働いていた時はピルを服用していた。

    生理前に眠気が強く、一日目から出血量が多く、貧血になってしまった。

    生理痛が酷い月と、軽い月が交互にある。また半年サイクルで酷い生理痛が来る。

    中学生の時から首肩こりが強く、慢性的な頭痛になっていた。

    小さいころから扁桃腺が腫れていた。

    治療

    二週に一回のペースで治療をスタート。

    瘀血、扁桃弱体、卵巣、骨盤内血流に問題があり、それに対応する治療をおこなって行った。

    使用したツボは、陰陵泉 中封 陰谷 復溜 曲池 次髎 崑崙etc

    経過

    一回目の治療後、汗をかくようになった。体がポカポカした。

    二回目の治療後、自宅ベッドから落ちて腸骨にひびが入ってしまい、一旦治療を休止。

    一ヶ月後に三回目の治療。首肩が固くなってしまった感じ。足は冷たくない。

    治療後、生理になる。一日目重く、二、三日目は軽かった。※いつもは二、三日目が辛い。

    四回目の治療後、飛行機に乗った。いつもは乗るとむくんでしまうが、まったく大丈夫だった。

    体の冷えが以前よりも良くなっている感じ。

    六回の治療後、首肩こりからの頭痛が、以前のように酷いことが無い。

    生理痛はあるが、服薬しなくても大丈夫なレベル。

    妊活をする予定なので、そこに対しても治療をうけたいと言われ、それに対する治療も加えていった。

    二ヶ月後に妊娠

    すぐに悪阻が始まるので、それに対する治療も加える。

    悪阻は治療直後から数日は楽になるが、またぶり返してしまう。

    そうこうするうちに、車に乗っての来院が辛くなってしまい、一旦治療を休止。

    三か月後に悪阻も落ち着いてきたので、妊娠中のケアを中心に、首肩こり、頭痛などの治療をしていった。

    十三回目の治療時、首肩こり、頭痛、腰痛、動悸、脈拍上昇など。

    治療後、動悸や脈拍上昇は無くなる。

    掃除機を長時間かけた後に、お腹がキューっとはり、ソケイ部がしくしく痛んだ。

    このため、お腹のはり止めのツボも使用した。

    十四回目の治療後、悪阻はほぼなくなる。

    長時間歩くと下がってお腹がはる。

    その後、また一度胸が苦しくなることがあった。

    産婦人科では、緊急性はないので様子見と言われた。

    胎児の育ちが良く、お腹が大きくなるスピードが早い感じ。

    妊娠中のケアとして、体に現れたトラブルにその都度対処していった。

    一度カゼをひいたことがあり、その時に逆子になってしまい、逆子の灸もおこないすぐに元に戻る。

    出産2ヶ月前になり、車での移動が大変になって来たので、治療は一旦中止となっている。

     

    生理の問題、妊活、妊娠のケア

    この患者さんは、最初首肩こりや生理の問題に対しての治療からスタートしました。

    その治療を継続していく中で、今度は妊娠希望で妊活をするので、そのサポートをしてほしいと言われ、治療がシフトしていきました。

    それから二ヶ月後には妊娠をされ、妊娠中のケアへと移って行きました。

    患者さんは同一人物ですが、異なる三つのニーズにそれぞれ対応していくことができました。

    鍼灸は、鍼を刺したりお灸をすえるという単純な行為ですが、その同じ行為でさまざまな目的に添った治療をおこなうことが出来るわけです。

    揺り籠から墓場までという言葉がありますが、生まれる前から死ぬ直前まで、鍼灸は活用することができるので、さまざまな体の悩みを持った多くの人達に鍼灸の良さが伝わればと思います。

  • 大成堂が生まれた日

    大成堂が生まれた日

    時々、大成堂の名前の由来を患者さんから尋ねられることがあります。

    今までも、大成堂のニュースレターや、LINE@、Facebookなどで紹介したことがありますが、最近大成堂を知った人には届かないので、今回改めて書いてみたいと思います。

     

    鍼灸の名人を訪ねて〇〇里?!

     

    私が中国に鍼灸の修行に行っていた時にまで話がさかのぼります

     

    中国の東北地方にハルピンという都市があります。

    ここはロシアと隣接していて、冬は零下30℃にもなる極寒の地です(私が訪れたのは夏だったので涼しくて良かったです)

     

    なぜハルピンに行ったかというと、とてつもない鍼の名人がいると聞いていたからです。

    当時、私は天津中医学院に留学をしていました。

     

    この学院に留学したのも、日本にいる時に鍼の名人がいるという話を聞いていたのが理由です。

    その天津の鍼の名人が、私よりもさらに名人がハルピンにいると教えてくれました。

    それを聞くと、ぜひとも訪ねて行きたいと思うようになったのでした。

     

    天津からハルピンまでの決死行

    春休みを利用して、ハルピンまで鍼灸の名人を訪ねて一人旅をすることにしました。

    天津からハルピンまで寝台列車で行きました。

    ちょうどSARSが流行していた年です。

     

    前年の暮れに、広東の方でスゴイ風邪が流行っているらしいという噂を聞いていましたが、それからあっという間に北京に拡大して、留学をしていた天津にも感染者が出てしまっていました。

     

    身の危険を感じながらも、どうしても鍼の名人を訪ねて行きたくて、天津からハルピンへの列車の旅を決行したのでした。

     

    列車の中で周りに咳をしている声が聞こえてくると、大丈夫か??とビビッていました。

     

    やっとの思いでハルピンに到着し、その鍼の名人に会いに行くと、

     

    「今、SRASが流行している。遠方から来てくれた友人を病院に招き入れるなどという危険な目にあわせることはできない」と、その先生の病院で教えてもらうことはできないと言われてしまいました・・・

     

    どうしても秘伝を学びたい!

    病院で実習ができないと言われがっかりしていたところ、その鍼の名人は言いました。

    「お前のホテルでマンツーマンで、鍼の術を伝授しよう」と。

     

    ハルピンに行く前に、天津中医学院でお世話になっている教授に事前に連絡をとってもらっていました。

     

    中国は、縁故の関係があると強力で、普通なら実現できないこともあっさりと実現できることが多々あります。

     

    ということで、ホテルに缶詰めになって、鍼の名人から手とり足とり技を教えてもらいました。

     

    焼山火
    透天涼
    青龍擺尾
    白虎揺頭

    一般の人には聞きなれない名前ですが、鍼の技術の名前です。

     

    なんだか中国拳法の技の名前のようですね。。。

     

    昔の中国の文献に載っているけど、実際に使いこなせる人がほとんどいない、「伝統手法」というものを教えていただくことができました。

     

    中国には鍼灸や漢方の文献がたくさんあります。

    素問・霊枢
    難経
    傷寒論

    など、この辺りは良く知られていますが、

    針経指南
    針灸聚英
    針灸大全
    標幽賦
    金針賦

    などは、鍼灸師でも知らない人が多くはありません。

     

     

    大成堂が生れた日

     

    こういった鍼灸の文献の中に「鍼灸大成」という書物があります。

    比較的新しい「明」の時代の書物で、それまでの時代に書かれた鍼灸の文献の集大成のような本です。

     

    ハルピンの鍼の名人は、技術だけでなく学問にも長けていて、その「鍼灸大成」を現代に蘇らせるプロジェクトのリーダーを務めていました。

     

    ホテルで講義を受けている時に、「鍼灸の文献を読むなら、この「鍼灸大成」を読みなさい」と授けられ、

     

    「私に学んだ日本人は、お前が二人目だ」

     

    「以前、私に学んだ日本人は、新潟で「大成堂」という名前で開業してとても繁盛したと聞いている。しかし、病気で若くして死んでしまったそうだ」と寂しげに話しました。

     

    その話を聞いた時、帰国後に開業する予定だった治療院の名前が決まったのでした。

     

  • 【改善事例】心身ともに不安定な精神科の先生

    29歳 女性 東京都 新宿区

    主訴

    首肩こり 精神的なアップダウン イライラ 耳鳴り 腰痛 カゼ    

    症状

    8年来の古い患者さん。

    来院当時、一番の訴えは首肩こり。首が重苦しい感じ。

    中学、高校ぐらいから肩こりを感じていた。ひどい時は頭痛になる事も。お風呂や揉んだりすると軽減。

    3日前に馬に乗って股関節を痛めたが今は問題ない。

    先月に二週間ほど右下腹が痛くなった。

    以前、骨盤内腹膜炎になったことがある。

    治療

    首肩を直接的に緩めるための治療を中心におこなった。

    右腹部に直接アプローチした。

    経過

    一回目の治療は知人に連れられての来院だった。

    まだ精神科医であることも打ち明けられず、様子見的な来院だった。

    治療後、半年ほどは音沙汰なく、来院もなかった。

    半年後に来院した二回目の治療から、精神科医であることのカミングアウト。

    精神的に病んでいる患者さん達を相手にしていることで、自身も気持ちが落ち込んだり、不安定になると打ち明けられる。

    朝起きられず、午前に元気がない。仕事もずっと休んでいる。夜寝つきが悪い。

    などを訴えていた。

    4年にも一度同じような症状になり、3ヶ月ほど服薬をしていた。

    治療は瘀血、心包の問題、椎骨脳底動脈の問題などに対して行った。

    実際に使ったツボは、中封 三陰交 陰陵泉 曲沢 間使 滑肉門 百会 崑崙etcなどを使った。

    二回目の治療後、状態はかなり改善。

    その後、三ヶ月間、月に一回程度来院し、同様の治療を継続。

    気持ちは大分落ち着いてくるようになる。

    それからは、不定期で月に一回、二ヶ月に一回程度のペースで来院。

    その時々で、肩こり、腰痛、耳鳴り、風邪などさまざまな症状に対処しつつ、メンタルの状態も維持するようにサポートしていった。

    風邪っぽいことが多いので、免疫を高めるツボにお灸をすることで対処することも多い。

    また、耳鳴りが起こる事も多く、その都度耳の治療もしている。

    そのようなペースで、現在に至るまで8年間通われている。

    精神科医だって人間

    この精神科の先生は、東京でクリニックを開業しています。

    地元が群馬で、馬を持っているので、頻繁に群馬に帰ってきます。

    その時に、大成堂に来院します。

    色々な体の症状と、気持ちのアップダウンに対処しています。

    来院当初、一番の問題だったのはメンタルでした。

    精神科医として働いている中で、患者さんに罵倒されたり、殴られたりといろいろあったようです。

    それでメンタル的にもダメージを受けていました。

    医師も人間なのです。

    初期の治療で、その時のダメージからは復活しました。

    その後は、仕事で忙しい時や、嫌なことがあった時、またバイオリズムが狂った時などに気持ちにアップダウンがあるので、体を緩めることで精神的安定をさせる目的で現在も治療を継続しています。

  • 【改善事例】半月板に亀裂が入っていると言われた膝痛の60代女性

    68歳 女性 群馬県 伊勢崎市

    主訴

    膝の痛み 坐骨神経痛  

    症状

    9ヶ月前、突然寝ている時にズキンと膝の痛みを感じるようになる。

    昼間は痛みは感じていなかったので、そのままにしていた。

    だんだんと頻度が増えて、昼間も痛みを感じるようになってきたので、5ヶ月前に整形外科を受診してレントゲン撮影をしてが異常はみられなかった。

    ヒアルロン酸注射を二ヶ月半つづけた。

    3ヶ月前にMRI検査をしたところ、半月板に亀裂が入っていると言われ、痛み止めが処方される。

    2ヶ月前に再び違う病院でレントゲン、MRI検査をして、やはり半月板に亀裂が入っていると言われる。

    その頃より、膝の裏も痛みを感じるようになる。

    そんな時、長時間(6~7時間)の車の運転をしたところ、臀部から脚全体が痛くなり歩けない状態になる。

    現在、その時よりも脚の痛みはましになっているが、膝と共に臀部から脚全体の痛みに悩んでいる。

    夜寝ていて、じっとしている時でも痛みを感じている。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    半月板の亀裂が認められると診断されているが、膝窩の筋肉にも問題があり、また膝の部分の血流の問題もあり、そこを改善する治療をおこなった。

    また、坐骨神経痛に関しては、梨状筋に問題があるので、そこを緩める治療を中心におこなった。

    使用したツボは、曲池 陰陵泉 商丘 陽陵泉 京門 環跳 委中 etc

    経過

    一回目の治療後、臀部から脚の痛みはほとんどない。

    膝窩の痛みはまだある。歩いていて膝の痛みあり。

    夜中に膝が痛くて目が覚めることがあったが、それは無くなった。

    二回目の治療後、膝窩の痛みは軽くなっていたが、治療後5日目ぐらいから徐々に痛みがぶり返してきた。

    臀部はだる痛い。

    三回目の治療後、膝窩の痛みは10→3ほどに。膝の前側の痛みは10→7程度に。

    臀部は一昨日は痛かったが、昨日、今日は忘れるぐらいに。

    腰のMRI検査をしてすべり症と診断された。

    病院で膝の水を抜き、水が茶色がかっていたのでリウマチの検査もした。10日後に結果が出るとのことだった。

    その後も同様のペースで治療を三ヶ月間継続、良くなると動いてしまいまた痛みが強くなるなど一進一退の中で、少しずつ軽減はしていました。

    その後、家庭の事情で、一旦治療が休止。

    三ヶ月後にまた週一回のペースでの治療を再開した。

    膝の水は大分たまらなくなってきていた。膝の痛みも10→3程度を推移していた。

    週一回のペースで治療を三ヶ月して、膝痛、坐骨神経痛とも小康状態に保てるようになってきた。

    旅行などで坂道を歩く事があっても、それで後にダメージが残るようなことが無くなる。

    現在も治療は継続中。

    膝の半月板に亀裂が入っていても

    半月板に亀裂が入っている場合、それを鍼灸で修復させることはできません。

    しかし、半月板の亀裂だけが、この患者さんの膝の痛みの原因ではありません。

    膝を取り囲む筋肉にも問題が波及して、それが痛みを増幅させます。

    特に膝窩の痛みは、膝窩筋という筋肉に問題があって痛みが起こることが多く、この筋肉を緩めることで痛みが速やかに軽減していくケースが多くあります。

    また、この患者さんは坐骨神経痛もあるので、これが膝の痛みをさらに複雑化させている可能性もありました。

    坐骨神経痛も、この患者さんはすべり症があると診断されていますが、それが直接の原因ではないとみたて、腰および臀部の筋を緩める治療を継続していくことで、痛みが軽減していきました。

    膝痛も坐骨神経痛も、器質的な問題が絡んでいるので時間はかかりますが、鍼灸治療を継続していくことで改善してきました。

    これが明らかな器質的な問題がなければ、もっと早く痛みは改善していたことでしょう。

  • 【改善事例】めまい、生理痛、踵のしびれ、他人にも聞こえる耳鳴りに悩む20代女性

    27歳 女性 群馬県 藤岡市

    主訴

    めまい 踵のしびれ 生理痛 他人にも聞こえる耳鳴り

    症状

    1年前にディズニーランドへ行って長時間歩いてから、左大腿外側の痛みが出現した。

    その後その痛みは落ち着き、やや違和感があるのみになる。

    しかし、その3ヶ月後に左足底や踵にしびれが出るようになり、現在までずっと続いている。

    しびれは整形外科で薬をもらったのみで特に診断はされていない。

    半年ほど前にめまいが出現し、現在もふわっとするめまいがする。

    めまいの出現と同時に、右耳が痛くなる。

    その2ヶ月後に耳閉感が出るようになり、ピキピキと音がするようになる。

    この音は他覚的にもピキピキと聞こえる。耳鼻科では原因不明とのこと。

    生理不順。

    生理前、月の半分は調子悪い。

    治療

    週に一回のペースで治療スタート。

    瘀血、副腎疲労、骨盤内血流不全、椎骨脳底動脈血流不全などの状態が見受けられ、それぞれに対応するツボを使用した。

    使用したツボは、中封 陰陵泉 照海 四瀆 環跳 大転子 難聴点etc

    経過

    一回目の治療後、踵のしびれは10→7~8程度に軽減。

    耳のつまる感じ、ふわっとするめまいも軽くなった。

    三回目の治療後、踵のしびれは10→4~8程度になる。

    耳閉感はしばらく無かった。のどのつまり感も感じた。

    五回の治療で、踵のしびれほとんど無くなる。

    耳は不調で、耳閉感はまだ強く感じている。

    しびれがひと段落してきたので、生理の状態をもっと改善させたいということで、引き続き今での治療をおこないながら、女性ホルモンバランス療法も加えることになった。

    一ヶ月後、生理前の状態が依然と比べだいぶ軽くなる。

    しかし、耳閉感、ピキピキと聞こえる耳鳴りは全く変わらない。

    ここで耳の状態を改善させるために、新たなツボを加える。

    その一週間後、耳のピキピキが10→7程度まで軽減した。

    計四回の治療で、耳は10→3程度までに軽減。

    その後、治療ペースを二週間に一回に広げ、同様の治療を継続。

    少し残っている足のしびれや、生理の調整、めまい、耳の状態の更なる改善をしていった。

    三ヶ月間経過し、生理前に少し調子を落とすこともあるが、それ以外はほとんど気にならない状態になり、治療を終了とした。

    坐骨神経痛はヘルニアが原因?

    この患者さんは、若いながらもいろいろな症状に悩まされていました。

    坐骨神経痛の後遺症として踵にしびれが強く、この症状を軽減していくことを最優先にしていきました。

    坐骨神経痛はヘルニアが原因と一般的には考えられますが、実際にはそうでないことが非常に多くあります。

    梨状筋という筋肉が問題のケースがほとんどだと言っても良いものです。

    実際、この患者さんも梨状筋を緩めていくことで、速やかに坐骨神経痛は改善していきました。

    梨状筋を緩めるポイントにお灸をすると、足先までピクんと刺激が通り、少し足が動きます。これは不快な感覚ではなく、患者さんも面白がっていました。

    この現象がでると、非常に効果があります。

    他人にも聞こえる耳鳴り?

    この患者さんを治療していて、効果を出すのが大変だったのがピキピキと聞こえる音でした。

    実際、静かな治療室で、二人とも黙っていると、患者さんの耳からプチッ、ピチッ、というような音が断続的に聞こえていました。

    多分これは、耳と喉の奥をつなぐ「耳管」という管に問題があるのだろうと推測はできました。

    しかし、初めてのケースで、最初はまったく効果を出すことが出来ませんでした。

    坐骨神経痛が改善していく中で、この耳鳴りをどうしたものか考え、あるツボを試しに押したところ、それまで頻繁に聞こえていた音の頻度が少なくなるではありませんか。

    これはしめたと思い、もっと音が少なくなる場所は無いかと思い、ツボを細かく探していくと、ピタッと音が止まるところが見つかり、そこに鍼をしました。

    そのことがあってから、その耳鳴りは改善するようになっていきました。

    一定期間の治療の後、ほとんど気にならないレベルまで音がしなくなったのでした。

    生理痛はなくてあたりまえ?

    生理痛もあるとのことで、そちらも女性ホルモンバランス療法で対処しました。

    基本的に、20代女性で、器質的な疾患が無い場合、生理痛の痛みを改善させることは簡単です。

    治療を開始して一回目の生理から薬を飲まなくても良くなるケースは多く、多くても三回目の生理までには軽減していることがほとんどです。

    女性の生理で痛みが起こる事は、本来は普通ではないことなので、器質的な疾患が無い限り、生理痛があることがおかしいのです。

    なお、器質的な疾患があっても、無い場合よりは時間がかかりますが、改善していく場合の方が多いことを付け加えておきます。

     

  • 【改善事例】10年以上続く膝痛の60代きゅうり農家のお母さん

    65歳 女性 群馬県 伊勢崎市

    主訴

    左ひざの痛み 指の関節の痛み 右肩の痛み

    症状

    10年以上前から左膝の痛みがある。

    膝を曲げるのが辛く、正座ができない。

    歩行、自転車に乗る時に膝の痛みが強い。

    指はへバーデン結節で変形している。

    曲げると痛い。

    右肩は挙げる時に肩の後ろが痛む。長年テニスをしていて負担をかけていた。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    膝の治療をメインに、扁桃弱体の状態が見受けられるので、それに対応するツボを使用した。

    使用したツボは、陰陵泉 商丘 足三里 四瀆 曲池 失眠etc

    経過

    一回目の治療後、膝の痛みは10→3程度に軽減した。

    歩行時の痛み軽減。自転車に飛び乗れた。

    二回目の治療後、3日後に運動をしてその次の日に膝の痛みが一時的に悪くなったが、すぐに良くなった。

    膝の状態は良い感じ。

    きゅうりを植える準備で体が疲れる。

    三回目の治療後、一度つまずいて膝に負荷をかけてしまった。

    膝に違和感が残ったが、自分でお灸をしたら消失した。

    へバーデン結節は痛い。

    右肩は最初の時よりは軽くなっている。

    五回の治療で、膝の状態は悪くない。

    自転車に乗れる、段差を降りる時に膝が痛くない。

    現在も週に一回のペースで治療継続中。

    叔父さんが柔道整復の先生

    この患者さんは、前回の症例に登場したキュウリ農家のお母さんです。

    鍼灸を受けて非常に体が改善した息子さんに紹介されて来院されました。

    親子そろって、鍼灸の刺激に素直に反応して、体が改善の方向に向かいやすい体質でした。

    そのため、かなり順調に改善傾向を示していました。

    よくよく聞くと、叔父さんが柔道整復の先生だったそうです。

    そして、よく治療をしてもらっていたそうです。叔父さんが亡くなってからは、治療は受けていなかったそうですが。

    長年治療を受けていたことで、体が良い反応を起こしやすい状態に変化していか可能性も考えられます。

    中国では鍼灸の治療をする時に、気功の練習を同時に行っていくことで効果を出やすくすることがあります。

    これは、東洋医学的に言うと、気血がめぐりやすい状態に体を持っていくという意味があります。

    スポーツをしている人も、鍼灸の治療が効きやすいケースが多いのですが、これも同じ理由です。

    この患者さんの場合は、小さいころから柔道整復の叔父さんに治療を受けていたことで、同じ状態になっているとも考えられます。

  • 【改善事例】頭のモワモワ、首こりに2年前から悩む30代きゅうり農家の男性

    35歳 男性 群馬県 伊勢崎市

    主訴

    首肩こり 頭のモワモワ  

    症状

    2年前から、首こり、頭のモワモワを強く感じるようになる。

    きゅうり農家で作業で体に負担をかけ、以前から多少は首こりや頭のモワモワを感じていたが、大雪でハウスがつぶれたことや、さまざまなことが重なり強く感じるようになる。

    夏に熱中症にもかかり、更に酷くなる。

    酷い時はめまいも起こるようになり、後頭部がそわそわする。

    日中はずっと感じていて、夜が一番楽。

    天気の悪い日は調子が悪い。

    暑いところにいると、胸がドキドキする。

    休みがあまりとれない。

    目の疲れもあり、パソコンやスマホはあまり見れない。

    集中力が続かなくなった。

    三ヶ月前に初めての娘ができた。家に帰っても一人の時間が取れない。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    椎骨脳底動脈不全のための治療をメインにおこなった。

    使用したツボは、陰陵泉 曲泉 四瀆 崑崙etc

    経過

    一回目の治療から三日間は、10→2程度に軽減していた。

    その後は10→6程度までに戻った。

    暑いところでドキドキすることが無かった。

    二回目の治療後、ずっと10→3程度の状態が続いている。

    三回の治療で、首こりは10→3で落ち着いている。

    その後、きゅうりの収穫時期には、ずっと上を向いているので首の筋肉痛になるため、首の筋肉を緩める治療を。

    トラクターにのって長時間作業する時期には、背中の筋肉が張ってくるので、それを緩める治療を。

    と、その都度ケアをしながら、現在も治療継続中。

    スポーツトレーナーのように鍼灸院を活用してほしい

    プロスポーツの選手は体が資本ですから、さまざまな体のトラブルが起こった時、その都度対応しています。

    マッサージ、リハビリなどもありますが、鍼灸が多くの選手に活用されていることは、あまり表立っては知られていません。

    また、コンディションを整えて、体のトラブルが起こりにくい状態にしておくことにも、鍼灸は活用されています。

    これは、何もプロスポーツ選手だけの特権ではありません。

    体を資本として仕事をしているすべての人が、体をケアすることは当然必要なことです。

    それによって生活を成り立たせているわけですから、体のコンディションを万全に持っていきたいものです。

    今回の患者さんは、過酷な肉体労働をしている方です。

    それによって生活を成り立たせているわけですから、プロスポーツ選手と同じと考えて良いわけです。

    体のコンディションを整えて、万全の体制でキュウリの栽培が出来るように、スポーツトレーナーと同じスタンスでこの患者さんの治療には当たっています。