投稿者: 院長 藤田勇

  • 【改善事例】ストレスで強くなる首肩腕のしびれ、痛み40代男性

    41歳 男性 群馬県 伊勢崎市

    主訴

    左首、肩、腕にかけての痛みやしびれ 

    症状

    15年前より、左首、肩、腕にかけて、時々痛みやしびれを感じるようになっていた。

    パソコンで徹夜したり、精神的なプレッシャーによるストレスなどで痛みやしびれが強くなっていた。

    今回は半月前から強くなる。

    職場でいそぎの仕事があって忙しく、精神的プレッシャーが強かった。

    また、職場の人間関係にもトラブルがあり、それもストレスとなっていた。

    そんな状況の中、いつもの左首から肩、腕にかけて痛みやしびれを強く感じるようになった。

    今までは1~2日ほどで軽くなっていたが、今回は半月も続いているので、どうにかしたいと思い来院した。

    左目の奥が痛い。

    30代前半にうつ病と診断された。

    同時期に橋本病とも診断された。

    30代後半にアレルギー性喘息と診断される。

    治療

    週一回のペースで治療をスタート。

    首に問題があるので、その問題を改善するためのツボを中心に使用した。

    また、ストレスと東洋医学の五臓の中のには密接な関係があり、ストレスがこの患者さんの症状を増悪させているので、それを取り除くためにのツボを使用。

    実際に使用したツボは、太衝 中封 陰陵泉 上四瀆 曲池 滑肉門

    経過

    一回目の治療後、腕のしびれはなくなった。痛み止めも使用しないで済む。

    二回目の治療で、初診時10→4程度になる。

    三回目の治療で、初診時10→2に。

    順調に改善していたが、五回目の治療の前の週に、会社でいろいろとあり(昔トラウマとなった部署に関わることがあった)症状がぶり返した。

    五回の治療で、状態は10→2~3程度に保たれている。

    その後も、更なる状態の改善とメンテナンスを兼ねて、同様に週一回のペースで五回の治療をおこない、その後は二週に一回の治療間隔に広げ、同様の治療をおこなっていった。

    肩こり、肩甲骨のこり、腰の痛みなど、その時々の状態に合わせての治療、

    また、職場で強いストレスを感じた時は症状がぶり返すこともあり、その時はその症状に対処していった。

    4ヶ月が過ぎたところで、月一回の治療間隔に広げた。

    その後半年で、症状は落ち着いてきたので略治とした。

    ストレスと体の関係

    この患者さんはメンタル的な弱さをもっている方で、またうつとも診断されています。

    会社でトラウマとなることがあり(具体的な内容は聞いていない)、それを引きずっているとともに、それが体の症状にもつながっている状態であった。

    ストレスによって精神的な緊張状態が生れると、無意識的に体の緊張状態も生まれてきてしまいます。

    それによって、さまざまな体の症状につながって行きます。

    この患者さんは、左の首や肩にもともと問題があったのでしょう。

    一番弱い部分に影響が出やすいものです。

    東洋医学では、体の中で弱っているところがあれば、そこに症状が発生するという意味の言葉があります。

    このため、左の首肩を緩めることが一番のメインの治療となりました。

    また、肝とストレスとの関係を東洋医学では重視しているので、肝の治療と合わせておこなっていきました。

  • 【改善事例】お客さんへのマッサージ時に太ももの痛みを感じる40代女性セラピスト

    43歳 女性 群馬県 前橋市

    主訴

    右太もも外側の痛み 

    症状

    セラピストでリラクゼーションをしている。

    四ヶ月前、職場で立っている時に、右太ももの外側に痛みを感じるようになる。

    年末のことで、お店も忙しく激務だった。

    その一週間後に整形外科を受診すると、筋力低下があるといわれリハビリをした。

    またMRIを撮り、筋肉と骨の間の炎症だと言われ、鎮痛剤・ロキソニンと胃薬が処方された。

    仕事で中腰をしている時に痛みを感じ、仕事が忙しかった翌朝は、打撲のような痛みに悩まされている。

    年に1、2回ぎっくり腰になる。

    子宮筋腫がある。

    治療

    週一回のペースで治療をスタート。

    血のめぐりの悪さによる瘀血を取り除く治療、

    右大腿外側の痛みを起こしている大腿筋膜張筋を緩める治療、

    右梨状筋、中殿筋、小殿筋を緩める治療をおこなっていった。

    経過

    一回目の治療で、右大腿外側の痛みは、10→3~4程度になるが、数日後に7程度まで戻ってしまった。

    二回目の治療で、日常生活では気にならない程度になった。

    すでに瘀血の反応は消えているので、瘀血の治療は無しにした。

    五回の治療で10→2程度となり、押すと痛みを感じる程度になったため、二週に一回に、そしてすぐに月一の治療間隔に広げる。

    月一ペースで一年間の治療をおこない、右大腿外側の痛みは問題ない状態になる。

    この治療過程で、寝違えになって首の治療をしたこともあった。 

    臀部の筋肉と子宮筋腫

    この患者さんの右大腿外側の痛みは、大腿筋膜張筋という筋肉に問題がおこり痛みが出ている状態でした。

    これは、セラピストの仕事で、リラクゼーションマッサージをする姿勢が関係しています。

    ただ大腿筋膜張筋のみの問題ではなく、股関節を支える中、小殿筋や梨状筋の過緊張がその原因と考えられます。

    この患者さんは子宮筋腫を持っていました。

    臀部の筋肉は骨盤内の血流との関係が深く、例えば不妊症などでは、臀部の筋肉を緩めることが重要な治療の一環となります。

    子宮筋腫の原因としても、大腿筋膜張筋の痛みの原因としても、臀部の諸筋群の過緊張が関与していることがうかがえました。

  • 【改善事例】睡眠障害・ナルコレプシーに悩む30代男性にお灸で喝を入れる

    32歳 男性 群馬県 伊勢崎市

    主訴

    深く眠れない 睡眠障害 ナルコレプシー 肩こり 足のむくみ 目の周りの痛みとクマ 

    症状

    4ヶ月前にナルコレプシーと診断される。

    2年程前より、日中ぼーっとしたり、ろれつが回らないい、朝早く目が覚めてしまう、夜更かししても短時間で目が覚めてしまうなどの状態があった。

    夢を多く見る。

    目の周りが重痛く、クマも出てしまっている。

    夜は布団に入って三分で寝てしまうが、眠りが浅く、短時間で目が覚めてしまう。

    仕事でストレスが強く、体重増加、便通が悪い。

    体の芯が2年前ぐらいから寒い。

    20歳の時に、バイク事故で右足首を脱臼骨折した。

    右脚が非常に冷える。

    治療

    週一回のペースで治療をスタート。

    お腹が冷えていて、特に肝の部分が硬い。

    肝は東洋医学で睡眠と関係が深い五臓の一つなので、肝の問題が大きいことがうかがえた。

    このお腹をゆるめ、めぐりをよくしていくことを基本方針として、更に目の周りのツボで目周囲の緊張を取り除き、めぐりを良くしていくことにした。

    また、目周囲のツボは脳との関係もあり、とくにナルコレプシーは視床下部のホルモン分泌異常が原因と呼ばれていることもあって、視床下部と関係のある目周囲のツボを意識して使用した。

    冷えも強いので、お灸も多用した。

    使ったツボは、攅竹 魚腰 五処 太衝 曲池 百会 背部兪穴など。

    経過

    一回目の治療後、2、3日体が暖かかった。

    二回目の治療後、週末になってくると右目があかなくなったり、右肩右脚がつったりする。

    三回目の治療、体の状態が10→3~5程度に良くなってきた。夢が少なくなった。

    五回の治療で、睡眠の質が良くなってきているのを感じられるようになった。体が暖かい。

    その後も週一のペースで治療を継続し、三ヶ月を経過したところで良い状態が維持できているので、治療間隔を二週に一回に広げた。

    二週間に一回だと、治療の前々日ごろから調子が悪くなってくるので、ギリギリ治療の効果が持つか持たないかとのこと。 

    その後も、体の状態を維持しつつ、月二回のペースでの治療を継続し、徐々に睡眠の状態は良くなっていった。

    一年が経過して、三週に一回に治療間隔を広げる。

    三週目の最後の時に、状態がやや悪くなる程度になった。

    ナルコレプシーとは?

    オレキシンと呼ばれる視床下部から分泌される神経伝達物質の分泌が低下するためといわれている。

    日中突然の眠気に襲われ、寝入ってしまうことや、入眠時の金縛りなど、睡眠にまつわる障害がでる病気です。

    夜間の睡眠をしっかりととることも対策の一つであり、この患者さんは夜の睡眠の質が良くなかったのが、治療を継続していくなかで質の良い睡眠がとれるようになり、それが日中の状態の良さにつながったように見受けられる。

    冷えの体質も、睡眠の質に悪影響を与えていたと思われ、お灸がかなり奏効したように感じられた。

    お灸で喝をいれる

    この患者さんは冷えが強く、交通事故で骨折し手術をした右脚と、体全体の冷えを持っていました。

    鍼で血流を促進させることでの冷えの対策の他に、お灸によって直接熱を加える治療が不可欠でした。

    お灸をしたツボは、背中から腰にかけての、背兪と呼ばれるツボでした。

    毎回、全部で6か所のツボに少し熱めのお灸をしていったのですが、お灸をするたびに「うー、しみるー」と言いながら悶えていました。

    仰向けで鍼をして、少し休んでもらうのですが、その時にほぼ寝入ってしまい、そのまま帰ると頭がボーッとしたままになってしまうじょうたいでしたので、背中のお灸で喝をいれて目を覚まさせるという意味もありました。

    毎回、右足がにお湯が流れるように暖かくなると言っていました。

    セルフ灸もずっと続けていて、冷えの体質も改善できたケースでした。

    セルフ灸は、しっかりと続けると冷えの体質も変えていってくれますので、おススメです。

     

  • 【改善事例】めまいでうつ伏せになれなかった50代女性

    56歳 女性 群馬県 前橋市

    主訴

    めまい 首肩こり 

    症状

    半年前にご主人にガンが発覚しする。

    ご主人の面倒をみるため、仕事も退職した。

    それから1ヶ月ほどたった時に、突然めまいが出現し、耳鳴り、動悸も出るようになった。

    病院ではメニエールの手前だと診断され、めまい薬、安定剤が出された。

    現在は、動悸は落ち着いているが、めまい、耳鳴りは依然としてある。

    特にめまいが辛く、頭を動かすとめまいが出てくる。

    仰向け、うつ伏せになれないので、横になって眠っている。

    車も運転できないので、ご主人に乗せて来てもらった。

    20年前に、目の前が突然真っ暗になり、めまいも出たことがあった。

    その当時は安定剤の服用をした。

    5~6年前に更年期だった。

    治療

    週一回のペースで治療をスタート。

    血のめぐりの問題と、首の問題が主な要因とみられたので、めぐらせ、首を緩める治療をおこなっておこなった。

    加えて耳の血流改善の治療もおこなった。

    使用したツボは、左中封 陰陵泉 上四瀆 崑崙 天柱 難聴点など

    経過

    一回目の治療で、めまい気にならない時があるようになった。

    耳鳴りの音も小さくなってきた気がする。

    二回目の治療後、すっと調子が良かった10→5程度に。

    孫と遊んでいてめまいが出現したことが一日だけあった。

    三回の治療後、めまいはこの一週間に二回あったが半日で気にならなくなった。

    以前は、一度めまいが出ると、2、3日は続いていた。

    五回の治療で、忙しくなってもあまりめまいが出ることもない。

    耳鳴りも10→2程度になってあまり気にならなくなった。

    状態が良いため、週一回の治療のペースを二週に一回に広げることにしたが、ここから長いトンネルに入って行ってしまう。

    今までの順調に良くなっていたのが嘘のように・・・

    二週に一回に治療間隔を広げたとたん、調子を崩してしまった。

    朝、正座から立ち上がろうとしたときに、太ももに力が入らなくなることがあった。

    その時から、調子が落ち始め、めまいも良かったり悪かったり。

    胃も痛くなり、心臓辺りも息苦しく感じるようになる。

    今までの状態が、初診時10→2~3にまでなっていたのが、10→8程度まで戻ってしまった。

    このため週一回の治療ペースに戻した。

    ここから、治療直後はスッキリするが、そのあとは調子が悪くなったり、多少マシな時があったりという状況が長く続いた。

    患者さんは、急に動悸が起こったり、胃の痛みが強くなったり、めまいが強く起こったりすると、電話をかけてきて大丈夫か聞いてきました。

    その都度、患者さんの今の体の状況を説明して、相談にのり、安心させ、勇気づけていった。

    三ヶ月もすると状態も安定して、症状もだいぶ軽くなって一安心。

    ここで、前回を教訓に、10日に一回の治療ペースに広げていった。

    ところどころで、胃の痛みや、首こり、頭重、腰痛などが起こることがあったが、大きな流れでは改善傾向を続けて、めまいはあまり出なくなった。

    三ヶ月後に、今度こそと二週に一回のペースに再チャレンジした。

    今回は問題なく、調子は良い状態のままでいられた。

    うつ伏せになれた!

    このような状況で、調子が良くなっていく中で、印象的なことがありました。

    この患者さんはうつ伏せになれなかったので、ずっと仰向けと、横向きで治療をおこなっていました。

    ある日、治療の際に、うつ伏せになってもらうように指示しました。

    もううつ伏せになっても問題ないとわかっていたためです。

    あとは、うつ伏せになった時に、酷いめまいを感じていた記憶を乗りこえてもらうだけという段階だったので、心配もせずうつ伏せになってもらいました。

    患者さんは、久方ぶりにうつ伏せになれたことに、非常に感激していました。

    治療をする側としても、今までの長くつらい状況を共に進んで来たので、感動してしまいました。

    この後も、三週に一回と治療間隔を広げていき、現在はメンテナンス、予防的な意味合いで月一回のペースで来院されています。

    ガンのご主人もその後ずっとお元気でいるし、初診時の時が遠い過去のように、今は非常に幸せな日常を過ごされています。

  • 【改善事例】手術をしようか迷っている椎間板圧迫による腰痛の40代男性

    43歳 男性 群馬県 伊勢崎市

    主訴

    腰痛 椎間板圧迫

    症状

    7年前にぎっくり腰になり、注射で良くなるが、すぐに動き出してしまって再びぎっくり腰になり、二回目の注射でまた調子よくなると繰り返したことがあった。

    三、四年経って、年齢を重ねてきて、体力の低下から腰の状態が悪くなってきた。

    福島県出身、派遣で群馬に出てきて、現在は車生産工場に勤務している。

    ライン作業で、右から左の一方通行の作業。

    うつ伏せで寝ると5分で腰が痛くなる。

    あぐらで座っているとすぐに足がしびれてくる。

    病院では、椎間板圧迫による腰痛と診断されたとのこと。

    手術も考えているが、現在は仕事の関係で先延ばしにしている。

    治療

    週一回のペースで治療をスタート。

    腹部から大腰筋を緩める按腹をおこない、その後腰、首を

    経過

    一回目の治療で、腰も首も軽くなる。脚の血のめぐりも良くなった。

    治療後、2,3日の間が一番楽だった。

    二回目の治療で、足先まで血行がめぐるようになった。

    腰は全体が痛かったのが、悪いところ(椎間板)がはっきりわかるようになってきた。

    四回の治療で、腰の痛みは10→5程度に軽減。

    五回目の治療は2週間後にしたが、2週間は調子の良さが持つようになったとのこと。

    ゴルフやボーリングをしても、以前のような酷い状態にはならない。

    仕事のライン作業が大変で疲労が強い。

    合計七回の治療で、腰の状態も落ち着いてきたこともあったためか、一時期来院が途絶える。

    その1ヶ月後、突然来院。

    この時の主訴は腰痛ではなくて、両肘の痛み。

    ライン作業がハードで、両手を酷使しているため、肘に痛みを感じるようになってきた。

    肘の内側が手首を掌屈すると痛い。これはいわゆる野球肘と同じ状態。

    腰もやや痛みがあるので、肘の治療を中心に、腰の治療も加えた。

    2週に一回来院。

    途中、腰は治療をすると軽くなりすぎるとのことで、軽めの治療をすることに。

    毎回治療直後、肘も腰も楽になって帰っていき、ハードな仕事でまたぶり返すのを繰り返すが、全体的には楽になっていった。

    五回の治療経過時、仕事が忙しくて来院できない状況になってしまい中断。

    3ヶ月後に久々に来院、自動車工場の仕事を辞めていた。

    3日前にぎっくり腰になったとのことで、その治療を希望し来院。

    はじめて大成堂に来院した時に主訴となっていた椎間板圧迫は、病院ですでに治っていると言われたとのこと。

    今回の腰痛は、それとは別物のぎっくり腰。

    治療後、痛み消失し帰って行った。

     

    椎間板圧迫による腰痛?

    患者さんの話では、病院で椎間板圧迫による腰痛だと診断されたとのことでした。

    医学的に正式には椎間板圧迫という言葉はありません。

    どんな状態なのかを考えると、椎間板圧迫によりヘルニアが起こっている状態かと思われます。

    この患者さんは手術を検討されていました。

    初回の鍼灸治療を受け、非常に状態が良くなり、そこから継続して来院されていました。

    それでも、最終的には手術を受けるつもりで、単に仕事の都合で先延ばしにしていただけでした。

    ところが、最終的には手術をせずに、椎間板圧迫は治っていると病院で診断されたため、手術も回避することができました。

    椎間板ヘルニアは、ヘルニアの出方によって、手術をしなければ改善することはない状態もありますが、時間経過とともにヘルニアが吸収されて最終的には良くなる状態もあります。

    椎間板の血流を増加させることで、ヘルニアの吸収を促すことは十分考えられます。

    また椎骨を支える筋肉を緩めることで、痛みを軽減することもできます。

    このため、椎間板圧迫によるヘルニアも、鍼灸が適応のケースが多くあるということを知っておくとよいかと思われます。

     

     

  • 【改善事例】膝の痛みは膝の関節が原因ではない!?大型バイクのツーリング後の膝痛に悩む30代男性

    患者

    38歳 男性 群馬県 伊勢崎市

    初診

    平成27年9月

    主訴

    両膝の痛み 階段の上り下りがつらい

    症状

    一年前に大型バイクの免許をとった。

    その一ヶ月後、ツーリングで遠くまで大型バイク運転した翌日、右膝の痛みが出るようになった。

    体を動かすのが好きで、野球、バレーボール、ボーリングなどをしていたが、今は膝の痛みが強くできない。

    鍵屋の仕事をしていて、鍵の交換などの作業ができない。仕事に支障が出ている。

    膝の屈曲時に、膝全体が痛く、曲げにくい。

    夜寝ている時の痛みは無い。

    やや膝関節に熱感あり、腫れは無い。

    治療

    週に一回のペースで、鍼灸治療を行う。

    膝周り、膝疾患に関連のある足腰の治療をおこなった。

    使用したツボは、陰陵泉 商丘 血海 屈伸 L4L5夾脊穴。

    経過

    一回目の治療後、膝の痛みは10→4にまで軽減した。

    しかし、飼っている犬に突然飛びつかれ、脚に不意の力が加わり、左太ももの内側を痛めてしまった。

    そこで、二回目の治療では、膝の治療に加えて太もも内側に対しても治療をした。

    といっても、膝の治療が、太ももの治療につながっているので新しいツボは加えず、同じツボで刺し方を変化させて、両方の治療を同時に行った。

    この二回目の治療で、膝の痛みと太ももの痛みは10→1にまでになった。

    三回の治療で、ほとんど膝の痛みは感じない。

    無理をして膝の違和感が出る時はあるが、教えてもらったセルフ灸をすることでリカバリー出来る。

    このため、一ヶ月間様子を見ることにする。

    一ヶ月後、膝を酷使した状況でもひどくならないとのことなので、四回の治療で終了とした。

    膝痛の鍼灸治療

    膝の疾患は、一般的に膝の関節そのものの問題のようにとられてしまいます。

    もちろん、その場合も多くあります。

    しかし、膝の軟骨がすり減って・・・

    膝の関節が変形して・・・

    半月板が・・・

    といった問題ではない膝痛も、非常に多くあるのもまた事実です。

    膝を動かす筋肉や腱の問題で痛みが起こっているケースは、鍼灸治療の十八番です。

    こちらの膝痛患者さんのケースでもそうでしたが、

    今回のケースも、膝の筋肉を緩めていくことで、とても速やかに痛みが消失していきました。

    腫れがひどい場合でも、上手く鍼灸で刺激をしていければ、素早く腫れが引いていくケースも多々あります。

    変形してしまった場合は、太ももの筋肉の弱りがあるので、その筋肉の強化も必要になります。

    また、お灸が非常に効果的です。

    せんねん灸などを使って、セルフ灸をやって行くことは、膝の痛みを軽減するだけでなく、後々の膝の変形の予防にも一役買えますので、ぜひお灸はやってほしいものです。

  • 【改善事例】温泉にいって目がぐるぐる回っためまいの50代男性

    57歳 男性 群馬県 前橋市

    主訴

    めまいによるふらつき

    症状

    一ヶ月前に温泉に行った。

    マッサージを受け、その後温泉に入り10分ほどしたら気分が悪くなり、外に出た時にふらつきが出現し、外湯で座っていたら回転性めまいが出現した。

    1~2時間すわっていて、嘔吐もあり、車いすで家に帰った。

    家でも嘔吐して立てない状態になったため救急車を呼び、一日入院し点滴をした。

    次の日に退院、帰宅。

    耳、脳には異常は見られなかった。

    近所の耳鼻科を受診し、市の病院に紹介され2週間の入院をした。

    現在のめまいの程度は、一番ひどい時を10とすると5程度になっている。

    高血圧140/100~110(現在は90)

    肩こり、左拇指痛風

    治療

    週一回のペースで治療をスタート。

    腹診では、瘀血の反応がみられたので、瘀血の治療をした。

    更に椎骨脳底動脈の反応が出ていたので、そこに対する治療をメインとした。

    経過

    一回目の治療後、血圧がさがり、頭痛が無くなった。めまいも軽減傾向。

    二回目の治療後、血圧は落ち着いた。

    歩行時にふらつく。寝る時、横になった時に目が回る。

    三回目の治療後、歩行時のふらつきは軽減。

    寝る時はぐるっと目が回る。

    頭がスッキリしない。

    五回目の治療後、頭のもやっとした感じはあるが、ふらつきはほとんど無い。

    寝る時に目が回るのはまだある。

    その後も、週一のペースから、二週に一回のペースにして治療を継続し、頭がもやっとする感じや寝る時の目が回る感じは、軽減しつつも残っている状態が続いた。

    三ヶ月経過し、めまいはだいぶ良くなり、疲れた時に少しふらつきを感じる程度。

    月一回のペースに変更し、さらに治療を半年継続し、ほぼ良くなり治療終了。

    めまい

    この患者さんは、以前大成堂でめまいの治療を受けて良くなった患者さんからの紹介で来院されました。

    その方はフラダンスの先生で、そこの生徒さんのご主人です。

    フラダンスの先生が、ひどいめまいに悩んで教室を辞めようかという話になっていたところ、そのめまいが良くなったのでした。

    その生徒さんも、ご主人がめまいになり、迷わず大成堂に行くようススメたそうです。

    毎回、治療を重ねるごとに、徐々にめまいが改善していったので、長期にわたる治療にもしっかりと通われて、最後まで良くしていくことができました。

  • 【改善事例】脊髄小脳変性症が発生し一人暮らしで将来が不安な50代男性

    50歳 男性 群馬県 高崎市

    主訴

    脊髄小脳変性症 体のふらつき 話がしづらい 字が書けない 

    症状

    4年前に、ズボンをはくときにふらついたのが最初の症状だった。

    更に、ろれつも少し回らないのに気がついた。

    その後、だんだんそれらの症状が、少しずつではあるが強くなってきた。

    2年後、群大で脳のMRIを撮影するも、特に異常が見つからず、経過観察となった。

    その1年後、群馬中央病院で、脊髄小脳変性症と診断される。

    診断された時から、症状が一気に進んだ気がする。

    現在、2ヶ月に一回受診し、薬が処方されている。

    便通不規則。

    3歳の時に交通事故、5歳の時に自転車で転倒し、額に大きな傷痕あり。

    仕事で役職についていて、部下への指示や、会議などで支障が出始めている。

    パソコンのキーボードも打ちにくくなっている。

    出来れば定年まで働きたいと考えている。

    また、一人ぐらしなので、この先もスムーズに日常生活が送れるようでいたい。

    治療

    週一回のペースで治療をスタート。

    椎骨脳底動脈血流促進のための治療を中心に、頭や口のツボに鍼をおこなった。

    経過

    一回目の治療後、それまで感じていた、気の遠くなるようなフラーとする感じが軽減。

    日常の動作も早くなったとのこと。

    ただ、ろれつは変化が無かった。

    二回目の治療では、一回目の治療に加え、額の傷に対する治療をおこなった。

    体に残る傷痕は、一見治っているような古いものでも、体に悪影響を及ぼすことがあります。

    そのため傷痕チェックをして、それが症状に関与している可能性がうたがわれたら、傷痕治療を加えていきます。

    部下の前で10分話をすると、息が切れてしまう。

    三回目の治療では、ろれつが今一つ改善傾向が見られなかったので、傷痕治療の時に発声練習も加えた。

    治療後、調子よい。半年前の状態にもどった感じ。

    言葉が出るようになった、意欲が出るようになったとのこと。

    その後も、同様の治療を同じペースで三ヶ月継続していき、良い状態を保つことが出来ていた。

    ただ、字を書くときの震えは、今一つ改善が見られなかった。

    三ヶ月を経過したところで、鍼灸治療を受けた後は三日間が特に調子よく、その後下り傾向になるので、週に二回の治療を受けられないかと患者さんから尋ねられたため、治療ペースを週に二回に変更する。

    そのペースで三ヶ月治療を継続。

    治療継続の中で、ぎっくり腰になったり、五十肩になったりといろいろな体のトラブルが起こったので、それにも対処していった。

    調子よく、一年前の状態に戻った感じと言っていた。

    そんなある日、電車で東京に行く用事があり、電車に乗ろうとして転倒をしてしまう。

    その後、腰や臀部の痛みのために夜中に目が覚めるような状態に。

    二週間ほどダメージが残り、痛みやしびれがでていただ、段々とそれは治まっていった。

    脊髄小脳変性症の状態としては、悪い方には行っていないとのこと。

    しかし、治療はここまでとなってしまいました。

    この患者さんは、車の運転を自分でしながら通院をしていました。

    その車の運転が、徐々に不安になってくるようになってしまい、通院をストップしたいとの申し出が患者さんからあり、治療はここでストップとなってしまいました。

    脊髄小脳変性症の鍼灸治療

    大成堂では、比較的多くの脊髄小脳変性症の患者さんが来院されています。

    これほど脊髄小脳変性症の患者さんが訪れる鍼灸院は、他ではほとんど無いかと思われます。

    きっかけは、一人の脊髄小脳変性症の患者さんからでした。

    その方が、インターネットで当院のことを見つけて来院されたのです。

    はじめての脊髄小脳変性症の患者さんでしたが、大成堂のメインスタイルとなる鍼灸治療である、長野式鍼灸治療法では症例もあったため、それを参考に治療を開始しました。

    また、ハーバード大学医学部で長野式鍼灸治療法を教えられている、松本岐子先生のセミナーに、その患者さんを連れて行って、治療の教えを直接受けに行ったりもして、試行錯誤をしながらはじめての脊髄小脳変性症の患者さんの治療を続けました。

    そのかいあって、その患者さんも、歩行のふらつきの改善や、ろれつの改善などの効果がみられ、とても感謝していただきました。

    脊髄小脳変性症の鍼灸治療の課題

    脊髄小脳変性症は進行性の病変です。

    そのため。腰痛や首肩こりのように、ある一定の期間治療をしたら良くなって、治療終了とはいきません。

    治る病気ではありません。

    治らないまでも、さまざまな症状を改善させ、その状態を維持していく必要があります。

    また、病気そのものも、できたら進行をストップ、もしくは進行を遅らせるという心づもりで治療をおこないます。

    そのため、ずっと治療を継続していくことになります。

    ある程度の期間は継続できるのですが、これが何年もとなると、自費の治療と言うこともあり段々と継続することが難しくなってしまいます。

    治療をストップしてしまうと、また進行してしまう可能性が高いので、それまでやった治療が無駄になってしまう可能性が高いので、できたら月一ペースにまでもっていっても治療を継続していきたいのですが、さまざまな事情で上手く行きません。

    このため、大成堂では「脊髄小脳変性症の治療をおこないます!」と前面に押し出すことはしていません。

    患者さんの声の中に、脊髄小脳変性症の患者さんのものがあり、それを見つけられてくる患者さんにのみ治療をスタートしているのが現状です。

  • 【改善事例】視界の中心が見えなくなってくるPIC(点状脈絡膜内層症)の30代女性

    37歳 女性 群馬県 太田市

    主訴

    PIC(点状脈絡膜内層症) 右眼の視界中心部分が見えなくなっている

    症状

    4ヶ月前に、視界の中心部分にカスミを感じるようになる。

    中心がチカチカして、見えにくい状態だった。

    近くの眼科へ行くと、もっと大きな病院を紹介される。

    網膜に瘢痕があり萎縮している、一ヶ月間様子を見るようにと言われる。

    同時にトキソプラズマの検査も行う。(一週間後の結果、トキソプラズマは陰性)

    その後、網膜変性で、新生血管らしきものも出てきているので、手術しかないと言われる。

    セカンドオピニオンで、もう一つの病院を受診。

    造影剤検査を実施し、PICと診断される。

    アバスチン注射による治療で、暗点はなくなりはしないが、小さくなる。

    症状が出たらその都度注射をしていくしかないと言われる。

    その後、再度、網膜萎縮と診断された病院に相談に行き、手術をすることにする。

    発症から二か月後に、硝子体茎顕微鏡下離断術を受けた。

    手術から二週間後、暗点のかすみは薄くなっているが、大きくなって、もう一個暗点が増えている。

    視力自体は上がり、手術もしたので、今後はステロイドくらいしかできないと言われる。

    ただ、すでに瘢痕化しているので、効果は薄いだろうとも言われる。

    それから2ヶ月経過して特に改善も悪化もしていない状態。

    治療

    最初は週に二回のペースで治療をスタート。

    目の周囲のツボへの治療を中心とする。

    腹診によって瘀血、免疫の異常もみられたので、それに対するツボも使用し治療を行っていった。

    経過

    この方は、愛知県にある眼科疾患専門の鍼灸院である、千秋針灸院から紹介された患者さんでした。

    群馬在住ですが、ネットで千秋針灸院のことを知って、愛知県まで行かれました。

    そこで診察、治療を受け、群馬県に眼科疾患提携鍼灸院として大成堂があると紹介され、当院に来院されました。

    千秋針灸院では、初回診察、治療方針を決定した後、全国の提携鍼灸院での継続治療をおこなうシステムとなっています。

    この方も、4日前に千秋針灸院に受診してから、大成堂に来院をされました。

    週二回のペースで3ヶ月治療を行い、再度千秋針灸院で検査をするシステムになっています。

    そして、3ヶ月後の検査結果では、大幅に改善していました。

    視野中心部の見え方が改善し、中心の暗点が縮小しているという結果でした。

    その後、更に4ヶ月同様のペースで治療を行い、再検査。

    非常に経過が良く、PIC(点状脈絡膜内層症)としては経過が順調だとのことでした。

    ここで、週一回のペースでの治療に入って行きました。

    そして半年後、再検査。

    良好な状態を維持し、依然緩やかであるが回復傾向を示しているとのことでした。

    ここからは2週に一回のペースに広げての治療となり、依然、良好な状態を保てています。

    眼科疾患の鍼治療

    難聴や耳鳴りなど耳の症状は、比較的改善に難義するものが多くあると言われ、眼の症状は比較的反応が良く、効果が出やすいものが多いと言われます。

    大成堂はめまいの治療を得意としているので、耳の症状の患者さんが比較的多いのですが、めまいは改善しても耳の症状は残るケースも少なくありません。

    それに比べると、目の症状の患者さんは少ないのですが、その少ない症例の中での改善率は、耳の症状よりも良いと感じています。

  • 【改善事例】首を前に曲げると足までしびれる営業マン

    65歳 男性 群馬県 伊勢崎市

    主訴

    両手足のしびれ 

    症状

    一年ほど前に、左太ももの外側の痛みを感じるようになった。

    それから足の甲や足先に痛みが広がる。

    その一ヶ月後には、右脚も同じように痛み出す。

    現在は、太ももの痛みは無くなった。

    現在は、膝から下の感覚がにぶく、足の甲の半分から先が冷たくてしびれている。

    手は、三週間前から首を曲げると肘から先がビリビリとしびれるようになる。

    現在、肘から先の感覚がにぶく、手のひら全体がしびれている。

    営業で車の運転が多く、長距離の運転も多い。

    腰痛、ヘルニアは無い。

    ジャクソン、スパーリングテスト(++)

    レントゲンによる首の検査は異状なし。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    首のある部分を押すと、足先までしびれが発生するので、そこを緩めることを治療の中心として、更にしびれを直接軽減させるために「大成堂しびれ治療」を同時に行った。

    経過

    一回目の治療で、脚のしびれは10→5に軽減した。手は不変。

    二回目の治療で、脚のしびれは10→3程度に。手は不変。

    二回治療をしても、手のしびれが変わらなかったので首を再精査すると、押すと手にしびれが強くなるポイントを発見し、そこを緩める治療を加える。

    この三回目の治療で、手のしびれも10→3程度の軽減した。

    五回の治療で、手のしびれはほとんど感じない程度になる。

    脚のしびれは10→2~3の状態。

    七回目の治療で、脚のしびれもも1~2程度まで軽減。

    その後も、週に一回、二週に一回と、状態を考慮して間隔を広げながら治療を継続し、ほとんどしびれが気にならなくなり、治療終了。

    本当は恐い、首が原因の足のしびれ

    この患者さんを最初に診た時、検査で首を曲げることで足までしびれが出現したので、頸髄症の疑いを持ちました。

    頸髄症であれば、大成堂では対処しきれない可能性があります。

    既に、整形外科でレントゲン撮影もしていて、頚髄症ではないと診断されていたので、治療をお引き受けしました。

    頚髄症は、首の骨の中を通っている頸髄が、首の骨や、靭帯が変形して、頸髄を圧迫してしまう状態です。

    首が問題で起こるしびれは、基本的には手にでます。

    それは首から手に行く神経が出ているので、首の問題で手の神経に影響が出るためです。

    これは頚椎症といいます。

    頚椎症と頚髄症、一字違いですが、その重症度は段違いです。

    頚髄症は場合によっては、早期に手術をする必要があるケースも多々あります。

    今回の患者さんのように、頚髄症でないのに、首を曲げることで足先までしびれるという話は聞いたことがありません。

    ですが、首のあるポイントを押すことで、足にしびれが出たことで、対処可能だと判断できました。

    症状の再現は改善のきざし

    ある場所に刺激をして、日ごろ感じている痛みやしびれ、またいろいろな症状が再現してくる場合、多くは原因となっている病巣に刺激が届いている目安となります。

    特にしびれなどは、しびれを起こす原因が筋肉の場合、その筋肉に刺激をすることで、キレイにしびれが出てきます。

    こんな時は、効果が非常に高く、「良い反応がでましたね」と患者さんにお伝えします。

    あまり強く症状を再現させると、患者さんに嫌がられてしまいますので、効果との兼ね合いで加減をしますが・・・