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  • 花粉症の根本治療をしたければ花粉対策はするな!~アレルギー体質改善のために知っておきたいこと~

    花粉症の根本治療をしたければ花粉対策はするな!~アレルギー体質改善のために知っておきたいこと~

    アレルギーを改善したいと考える場合、多くの方はアレルギーを起こす物質(アレルゲン)をどうにか避けようとします。

    花粉症なら、いろいろな花粉対策をしますね。

     

    もちろんそれも効果があるわけですが、それでは永遠に花粉対策を続けていかなければなりません。

     

    花粉症からはじまり、アトピー、喘息、リウマチ、上気道炎など、アレルギーというのは原因物質によって炎症が体に起こっている状態です。

     

    普通は炎症が起こらないような状況でも、炎症になりやすい体になっているためにアレルギーになってしまいます。

     

    このため、炎症が起こりにくい体にしていくことが根本的な解決方法になります。

     

    アレルギーには、ステロイドが“最初は”良く効きますが、これはステロイドが炎症を抑える作用に長けているからです。

     

    (ただ、使っているとだんだん効果が落ちて、また強い副作用もあるのが問題ですが)

     

    本来「炎症」は体を修復する過程で必要ですが、必要でないところにまでまん延してしまうことが問題になるわけですね。

     

    ですから、アレルギー体質の人にとっては、どうやって炎症が起こりにくい体になっていくかが、非常に重要なのです。

     

    人の体は細胞でできていて、これが壊れて炎症が起こります。

     

    細胞膜は脂でできていますが、『肉食』が多いと「アラキドン酸」という物質が膜に多く存在することになります。

     

    炎症で細胞膜が壊れると、「アラキドン酸」が出てきて、そこから「プロスタグランジンE2」という物質が生れます。

     

    この「プロスタグランジンE2」が炎症を促進して、痛みを起こしていきます。

     

    ところが『オメガ3』や『不飽和脂肪酸』などの摂取が多いと、細胞が壊れた時に「プロスタグランジンE3」という物質が生れます。

     

    これは炎症を抑制する働きがあります。

     

    結論

    肉による脂→アラキドン酸→プロスタグランジンE2→炎症しやすい体

     

    オメガ3(アマニ油、エゴマ油、魚油)不飽和脂肪酸→プロスタグランジンE3→炎症しにくい体

     

    実は炎症はアレルギーだけでなく、慢性症状の多くの影の原因にもなっています。

     

    アレルギーに限らず体質を改善していくためにも、脂には気をつけたいものですね。

  • 腱鞘炎の隠れた原因は扁桃腺だった!【腱鞘炎のセルフ灸動画解説付き】

    腱鞘炎の隠れた原因は扁桃腺だった!【腱鞘炎のセルフ灸動画解説付き】

    包丁やフライパンが持てない。

    テニスやゴルフのスイングが大変。

    手首に力を入れられない、親指に力を入れられない。

     

    育児や家事、仕事、スポーツなどが原因で腱鞘炎になってしまい、なかなか治らない女性が多くいます。

     

    趣味のスポーツが原因なら、治るまで休むこともできます。

    ですが、家事や仕事での作業が負担となって腱鞘炎になる場合、そうもいきません。

     

    仕事を長期に休んだり、最悪辞めなくてはいけなくなってしまう事もあります。

     

    腱鞘炎になったらどうすればいいのでしょうか?

    いえ、腱鞘炎にならないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?

     

    腱鞘炎になってしまった人も、

    なんだか手首や指が痛くて「腱鞘炎?」と思っている人も、

     

    この記事を読むことで「どうすればいいのか?」その対処法が見つかるでしょう。

     

    腱鞘炎で内視鏡が持てず手術が困難な消化器外科医の話

    数年前、大学病院の鍼灸外来を担当していた時の話です。

    他科の医師に鍼灸治療を頼まれました。

     

    なんでも、「明日担当する内視鏡のオペがあるのだけれども、手首が痛くて内視鏡をしっかりと操作できそうにないので何とかならないか?」というものでした。

     

    その先生は手が小さくて内視鏡のグリップするところに合わないために、良く手首が痛くなってしまうとのことでした。

     

    今回は痛みも強く、明日のオペに支障が出そうだと困っていたところ、病院内に東洋医学科の鍼灸外来があるのを知って、藁にもすがる思いで鍼灸を受けてみようと思ったそうです。

     

    なんで腱鞘炎になるの?

    人体は筋肉で関節を動かすことで体を動かしています。

     

    筋肉は太い状態ですが、この筋肉が細くなって腱となり、その腱が骨にくっつきます。

     

    筋肉が収縮することで、腱が引っ張られ、骨(関節)が動きます。

    これが体の動く仕組みです。

     

    この腱が骨にしっかりと固定されて動きやすくなるために腱を包んでいるものがあります。

    それが腱鞘です。

     

    腱をぐるっと腱鞘がつつみ取り巻いていて、この中で腱が行ったり来たりしています。

     

    手首や手指を使いすぎると、この腱鞘と腱がオーバーヒートしてしまい炎症が起こります。

    これが腱鞘炎のメカニズムです。

     

    更に、腱鞘の炎症がひどくなると鞘が腫れてきます。

     

    腱鞘が腫れることで、腱の通り道が狭くなってしまうと、腱がひっかかって動きが悪くなります。

    これがばね指です。

     

    腱鞘炎とばね指は同じメカニズムの中の、違うステージと理解していただければよいかと思います。

     

    腱鞘炎のメカニズムは分かりました。でも全員が腱鞘炎にはなりませんよね?

    はい、その通りです。

     

    腱鞘炎になるのは、男女別だと女性の方が多い傾向にあります。

     

    これには諸説あって、女性ホルモンの関係が原因なのではと言われています。

    今までにも、更年期に入り急に腱鞘炎になった女性の患者さんを何人も診ています。

     

    また、もう一つ大きな原因として考えられるのは、女性の方が総じて筋力が弱いことです。

     

    筋力が弱いと、メインになる筋肉のみに頼って力を使ってしまいます。

    筋力があれば、メイン以外の筋肉もサポートに回り分散して力を使うことが出来ます。

     

    育児の時の上腕骨内側上顆炎(いわゆる野球肘)や腱鞘炎は、筋力がない女性が頻繁に赤ちゃんを抱っこする機会が増えて負担がかかったために起こる炎症ですが、筋力があれば他の筋肉にも負担が分担されて炎症が起こらなかった可能性もあります。

     

    女性ホルモンや筋力の弱さが、腱鞘炎が起こりやすい原因となるわけですが・・・

     

    ここからがこの記事の本題です。

     

    鍼灸医学では違った観点から、腱鞘炎の原因を考えます。

    それが扁桃腺です。

     

    鍼灸医学による、腱鞘炎と扁桃腺の関係の解説

    鍼灸医学の中に、扁桃腺を重視する一派があります。※ハーバード大学医学部の鍼灸の授業でも取り入れられている長野式鍼灸治療法という一派

     

    扁桃腺には喉頭扁桃、咽頭扁桃、舌扁桃、口蓋扁桃という四つの扁桃があって、これらがワルダイエルの咽頭輪というものを形成しています。

     

    喉の奥に存在するこれらの扁桃は、免疫の最前線といえる器官です。

     

    鼻と口を通って外界から入ってきた各種雑菌等が、この扁桃でキャッチされ排除されます。

     

    扁桃腺というと、一昔前はあってもなくてもあまり変わらない器官と認識されていました。

     

    しかし、扁桃腺を取ってしまうと、免疫が弱くなると現在では認識されるようになってきています。

    そのため現在では、扁桃腺を簡単に手術で摘除しないようになってきました。

     

    さて、この免疫の最前線基地の扁桃腺ですが、細菌にやられて感染し慢性炎症を起こしてしまうことがあります。

     

     

    また、ストレス、過労、加齢、外傷、寒冷、アレルギー、環境の変化等により体力が弱り免疫力が落ちることでも、扁桃腺が弱体化し慢性炎症を起こします。

     

    この状態が長く続くと、二次感染症として弱い臓器にトラブルを起こします。

    特に結合組織に影響が出やすく、腱や靭帯の炎症の原因となるわけです。

     

    ですから、腱鞘炎の原因として扁桃腺を取り上げましたが、実際には結合組織すべての炎症の原因になりうると考えられるわけです。

     

    扁桃腺を強化するためには

     

    上記にある長野式鍼灸治療法では、扁桃を強化することが治療の中で大きなウェートを占めています。

     

    そのため、基本的な治療の中に扁桃強化の鍼灸治療が入っています。

     

    扁桃が弱体化している時には天牖というツボにサインが出ます。

    そして、この際に使われるツボは曲池というツボです。

    その他、大椎照海といったツボの使います。

     

    冒頭に出てきた消化器外科の先生の腱鞘炎は、曲池天牖を中心としたツボを使い、更に腱鞘炎の特効穴である帯脈も使用しました。

     

    その場で痛みが軽減し、翌日の手術は無事おこなうことが出来ました。

     

    腱鞘炎のセルフ灸

     

    扁桃腺は免疫に関与するので、免疫強化としてもこれらのツボは使えます。

     

    免疫強化にはお灸が相性がいいので、これらのツボに日常的にお灸をしていくことは、扁桃腺を強化して、免疫力を高めることができますので、ぜひ習慣的にお灸をしてほしいところです。

     

    扁桃腺を強化し、免疫力をUPするツボ《曲池》

    腱鞘炎の特効穴《帯脈》

  • 半月板に亀裂が入った患者さん

    半月板に亀裂が入った患者さん

    群馬県伊勢崎市の鍼灸院
    大成堂中医針灸院 院長の藤田勇です。

     

    先日、大成堂に来院された方の話です。

     

    昨年暮れより右膝が、夜寝ている時に突然ズキンと痛むようになりました。
    痛みがどんどん強くなっていき、整形外科を受診。

     

    レントゲンでは特に異常が見られなくて、ヒアルロン酸の注射を継続して受けても良くならず、MRIの検査を受けると両方の半月板に亀裂がみつかりました。

     

    今は痛み止めで、痛みをまぎらせている毎日でした。

     

    最近では、右の臀部から下腿までの痛み、右膝窩の強い痛みも出現するようになって、歩行困難になっています。

     

    お話しを聴いている段階で、半月板の亀裂がこの方の右膝の痛みの原因とされていることに、???でした。

     

    まず、両方の半月板に亀裂が確認されているのに、右にしか痛みが出ていないことを考えれば、それが直接的な痛みの原因と考えることには無理があります。

     

    更に、この片が最初に膝の痛みを感じはじめたのは、夜の寝ている時です。

     

    現在は、日中も痛みを感じていますが、やはり夜の寝ている時が一番痛みが強くなるとのこと。

     

    安静時に、一番痛みが強いわけです。

     

    これらを総合的に考えても、半月板の亀裂が原因と考えるには無理があると思いませんか?

     

    以前も、似たような膝の痛みを訴える患者さんが来院されました。

     

    その方も、注射や痛み止めで埒があかず、手術を勧められていましたが、今では、殆ど良くなり、趣味の太極拳も再開しています。

     

    整形では、どうしても骨など、レントゲンやMRIで病変を確認できる対象にしか目がいきません。

     

    それが問題だと思います。

     

    これは膝に限らず、ヘルニアや骨の変形などを『盲目的』にさまざまな痛みの原因にしてしまう要因となります。

     

    そして、電気やシップ、痛み止めなどをバンバン出されてしまい、最終的には手術というパターンになるわけです。

     

    筋肉、病変組織周辺の血液循環など、レントゲンやMRIに映らないところに、痛みの原因があることが多いと思われます。

     

    そこにダイレクトに、そして侵襲性の低い方法でアプローチできるのは、鍼灸の右に出るものはないのです。

     

    追伸:膝痛の患者さんは、痛みが楽になって、次回の予約を入れて帰られました。

     

    膝痛

     

     

     

     

     

     

     

     

  • めまいは首を治せ!

    めまいは首を治せ!

    大成堂は、めまいの治療を得意とします。

    そのため、めまいに悩む方がたくさん来院されています。

    横になると、めまいがひどくなるため、夜も座って寝ているような重症のめまいの方も来院されます。

    めまいにもいろいろな原因があって、命の危険を伴うようなめまいもあります。

    そういっためまいは、大成堂が治療できるめまいではありません。

    大きな病院で脳の検査もした。

    耳も異常ない。

    でも長年めまいに悩んでいる。

    そのようなめまいの多くに共通するのが首の問題です。

    現代の医学では、めまいと首の関係に対して、あまり着目をしていません。

    なので、どうしてもめまい難民と言われる方が増えてきてしまっているのが現状です。

    めまいの原因として、首がとても重要なポイントであることが、もっと広く知られるようになってほしいと思います。

    さて、

    この首の治療に、大きな効果を発揮するのが、椎骨脳底動脈治療です。

    脳への血流を良くし、首の筋肉の緊張もゆるめることで、めまいの症状を軽減していきます。

    多くの方がめまいの悩みから解放された大成堂のめまい鍼灸施術の秘密はこちらから

  • なぜ、春にめまいが辛くなるの?

    なぜ、春にめまいが辛くなるの?

    木・火・土・金・水

    陰陽五行から言うと、「春」は「木」の季節です。

     

    風・寒・暑・湿・燥・火

    六つの自然界に存在する邪気の中で、「風」は「木」と関係があります。

     

    肝・心・脾・肺・腎

    東洋医学の五臓六腑の考えでは、

    「木」と関係のある「肝」が、
    「木」の季節である「春」に、
    「木」の邪気「風」の影響を受けます。

     

    そうすることで、体の中で「風」が巻き起こり、めまいが起こると考えます。

     

     

     

    大成堂では、めまいの患者さんが多いのですが、ずっと良い状態で経過していたのに、ここ最近調子を悪くする方が比較的多く見受けられます。

     

    まさに「木」の季節に、「風」に「肝」が乱されているわけです。

     

    「肝」は情緒の安定とも関係があります。

     

    「春先に変な人が多くなる」なんて耳にしたことがありませんか?

     

    これ、東洋医学的にはバッチリ説明がつくわけです。

     

    「肝」の乱れを正常にして、めまいを鎮めたい場合、薬膳だと菊の花、桑の葉、セロリ、トマトあたりがおススメ。

     

    もちろん鍼灸もおススメです!