カテゴリー: その他

  • 【改善事例】足首ねんざが治りきらない全国大会をねらう14歳のサッカー少年。

    患者

    14歳 男性 群馬県 伊勢崎市

    初診

    平成27年10月

    主訴

    足首ねんざの後遺症 脚のコンディショニング調整

    症状

    20代後半から肩こりを感じるようになり、35才ごろより背中の張りまで出るようになる。

    夜寝ている時に、大胸筋の凝りで目が覚めるようになった。

    天候の悪い日、雨の前に状態が悪くなっていたが、最近ではそれほど影響を受けないようになってきた。

    肩こりがひどくなってくると、頭痛も出てきて、気持ち悪くなる。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    頸椎の問題、椎骨脳底動脈の問題、瘀血の問題、菱形筋に問題があり、それに対する治療をおこなった。

    使用したツボは、三陰交 陰陵泉 四瀆 生辺 膏肓 崑崙 天柱 風池 etc

    経過

    一回目の治療後、10→4程度に軽減。今日は6~7に戻った。

    三回目の治療後、全体的には大丈夫な状態。昨日はやや肩が張っていた。

    夏は体調をくずしやすく、頭痛、手の震えがでることがある。

    四回目の治療時、円形脱毛症の相談を受け、その治療も加える。

    ※症状が改善してきたため、ここから二週に一回の治療ペースに変更。

    その後二ヶ月間、四回の治療をおこない、症状安定しているので略治として終了となる。

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    半年後に、突発性難聴になり発症一週間後に来院。

    病院でステロイド治療を受けている。

    週一回の治療で合計三回の治療で、耳の問題は無くなり略治として終了。

    治療のふりかえり

    この患者さんは、大成堂に通院されていた職場の同僚に紹介されて来院された方でした。

    肩こりがひどく、頭痛にまで発展することもありました。

    治療の経過中に、上司がストレスとなり、円形脱毛症になってしまいます。

    そのため、その治療も同時に行っていきました。

    ストレスを受けると体に出やすい状況で、後に突発性難聴にもなってしまいました。

    肩こり、円形脱毛症、突発性難聴とも、ストレスが原因で起こりうる症状です。

    東洋医学では「肝」の問題になってきます。

    ストレスによって「肝」の働きに影響が及ぶと「気」のめぐりが悪くなります。

    「気」のめぐりが悪くなると「血」のめぐりも悪くなり、「血余」と呼ばれる髪に栄養が行かず脱毛してしまいます。

    突発性難聴は、ウイルスの感染と血流障害が原因と西洋医学的には考えられていますが、東洋医学からも「血」のめぐりが悪いことで発症すると考えます。

    以上から、東洋医学的な考えでは、気血をめぐらせることで、三つの違った症状が一つの治療方針で改善させることができたわけです。

  • 【改善事例】胃カメラで食道にバレット粘膜の疑いある異物が見つかった60代歯科医師の男性

    患者

    65歳 男性 群馬県 前橋市

    初診

    平成21年3月

    主訴

    自覚症状はないが、胃カメラの検診でバレット粘膜の疑いが見つかったので、次の検査までに免疫力を高めたい。

    症状

    10日前に病院で胃カメラの検査を受けたところ、食道に異物が見つかった。

    バレット粘膜の疑いで、1ヶ月後に結果が出ることになっている。

    本来バレット粘膜は胃に近いところにできやすいのだが、喉頭近くに発見されている。

    以前、妻の父が癌になり、刺絡療法で癌が小さくなり、その後放射線療法をして完治したことがある。

    このため、今回は症状に対してではなく、免疫力を上げたいと考えての受診。

    夜間尿1、2回。今のところ前立腺の異常はない。

    お酒はビール350ml缶1or2本。焼酎少々。 ※今は控えている。

    睡眠時無呼吸症候群。

    半年前より疲れると嗄声が出る。

    治療

    月に二~四回のペースで治療。

    瘀血の問題、免疫強化に対する治療を中心におこなった。

    使用したツボは、中封 尺沢 曲池 照海 足三里 天牖 大椎 etc

    経過

    一ヶ月後バレット粘膜と検査結果が出る。一年後に再検査を受けることに。

    その後、一年間同様の治療を継続した。

    途中途中で、目の症状や膝の不調に対して治療も加えていった。

    一年後の検査では、バレット粘膜が消失。

    更に半年間、念のために治療を継続し、問題ない事を確認し治療を終了。

    治療のふりかえり

    バレット粘膜(バレット食道)は、逆流性食道炎が原因で発生すると考えられている前ガン状態の病変で、ガン化するリスクが高いと言われています。

    この患者さんは、親戚が東洋医学の手段でガンを縮小させたことを知っていたため、発見されたバレット粘膜がガン化するのを予防するために鍼灸を求めてきました。

    歯科医師でありながら、東洋医学に対する考えは柔軟で、まじめに通院をされていました。

    一年経ったところで再検査をしたところ、バレット粘膜が消失していました。

    基本的に発生したバレット粘膜が消失することは無いので、病院でも騒ぎになったとのことでした。

    更に半年経ち、更に検査をしたときにも問題ない状態だったため、略治として治療を終了しました。

    鍼灸でガンが治る?

    大成堂では、基本的に鍼灸でガンが治るという立場は取っていません。

    鍼灸によって免疫力が高まることで、ガンの状態が良い方向に向かうことは考えられますが、鍼灸単独でガンが治るところまでいくことはほとんどないと思われます。

    西洋医学、漢方、またその他のさまざまな療法も一緒に活用していくことが一番だと考えます。

  • 【改善事例】むちうち、異常発汗が一年近く治らない整形外科勤務の看護師30代女性

    患者

    42歳 女性 群馬県 伊勢崎市

    初診

    平成22年4月

    主訴

    頚部のはり感 異常発汗

    症状

    昨年の夏、平成21年7月に交通事故に遭い全身打撲、肋骨骨折となるが入院はしなかった。すぐにむち打ちの症状も出現。

    一日のうち、4~5回首が強くはってきて、顔などに発汗する。上肢がはってくることもあり、それとともに上肢に発汗することもあり、寝ている時にも出現することがある。

    冬の間は発汗は気にならなかったが、気温が高くなってきてまた気になるようになる。

    事故の前には、体に問題は感じなかった。

    事故当時から現在まで、状態は不変。

    20年前にはバイク事故で左上腕にケガをしたことがある。

    治療

    10日に一回のペースで治療をスタート。

    頸椎の問題に加えて、斜角筋の問題、瘀血の問題、自律神経の問題があり、それらに対する治療をおこなった。

    使用したツボは、中封 太白 陰谷 曲泉 四瀆 陰陵泉 T4夾脊 崑崙 天柱

    経過

    一回目の治療後、肩は10→6程度に軽減。一週間を過ぎた頃より10→8まで戻った。

    斜角筋は緩んでいる。然谷の圧痛があり腎の弱さが目立つので、斜角筋の治療を無くし、腎に対する治療を加えた。

    二回目の治療後、左首から肩にかけて、もやもやはったような感じ。天気が悪いと調子が悪い。

    三回目の治療後、首は楽になって来た。10→3~4程度。

    汗は依然としてある。病院で、更年期ではと言われ血液検査をした。10日後に結果が分かる。両斜角筋の問題が復活しているので、それに対する治療を再開した。

    四回目の治療後、首10→2~3。汗が少なくなった。

    五回目の治療後、首、汗ともに良い状態。

    血液検査の結果は、更年期というほどの数値ではないとのことだった。

    治療のふりかえり

    この患者さんは、整形外科に勤務する看護師さんでした。

    むち打ちになってから一年近く経っているのに、状態が全く変わっていませんでした。勤務する整形外科で内服薬、シップ、電気で治療されていますが改善されていませんでした。

    また急に発汗するという症状もあり、むち打ちから自律神経の問題にまで進んでいることがうかがえました。

    年齢から、更年期の可能性も疑われましたが、血液検査の結果からそれは否定されました。

    女性ホルモンの値は問題ありませんでしたが、東洋医学的には腎の問題がうかがえました。

    腎は西洋医学の腎臓ではなく、腎臓に卵巣、副腎などの機能も加わった概念です。

    首の治療と、腎の治療を同時に行っていったことで、むち打ちのみならず、発汗の問題も改善することができました。

    この患者さんは、鍼灸治療のことは気になっていたのに、職場の整形外科でずっと治療をしていたので、鍼灸を受けるのを後回しにしてきてしまっていたことを後悔して「こんなことなら、もっと早く来れば良かった」と言っていました。

  • 交通事故によりまぶたがあがらない症状に悩む伊勢崎市30代男性【改善事例】

    患者

    37歳 男性 群馬県 伊勢崎市

    初診

    平成17年3月24日

    主訴

    まぶたが挙がらない(眼瞼下垂)

    症状

    平成17年2月21日に、車を運転中に交通事故になり、左側頭部を強打する。

    外傷性くも膜下出血になって大学病院に一ヶ月入院した。

    言語障害や片麻痺などの症状が消失したので退院となったが、左動眼神経麻痺が残ったために眼科に通院加療をすることになった。

    眼科医は半年間経過観察して改善が認められない場合は、形成外科による手術療法を考えましょうと言われた。

    現在、ビタミンB12(メチコバール)を服用しているのみなので、他に積極的な治療をしたいという考えから、鍼灸治療の併用を希望して来院することになった。

    眼瞼は完全に閉じていて開眼できない。眼球は、上方、下方には全く動かせず、内方に微かに動かせるのみ。瞳孔は開いていて、典型的な動眼神経麻痺の状態だった。

    左側頭部と左眼瞼部に重みを感じる。左眼の周囲にわずかに浮腫がある。頭がボーッとなることがある。頭の回転が落ちている感じがする。

    治療

    週三回のペースで治療をスタート。

    動眼神経が支配する眼を動かす筋肉(上直筋、下直筋、内側直筋、上眼瞼挙筋)をダイレクトに刺激をする目的で、眼窩内刺鍼をおこなった。

    ※眼窩内刺鍼:眼球とそれを覆う骨のすき間に鍼を入れていく、高度な鍼のテクニック

    使用したツボは、上明 晴明 承泣 魚腰 太陽 合谷 臂臑 足三里 太衝 etc

    経過

    一回目の治療直後、わずかにまぶたが挙がっていた。

    十回目の治療後、眼球の上下の動きが少し出てきた。

    十三回目の治療(初回の治療から一ヶ月後)から、眼瞼部への棒灸による治療を加える。

    十五回目の治療から、漢方薬の併用を始める。

    桃仁、紅花、赤芍、川芎、黄耆、白朮、白芍、地竜、太子参、柴胡、甘草

    二十回目の治療後、眼球の上下の動きが大きくなっている。

    三十三回目の治療時、「以前に比べて鍼に刺される時の痛みを感じやすくなっている」とのこと。

    これは、麻痺をして鈍かった状態から、正常な知覚に近づいてきた証拠と思われる。

    三十八回目の治療時、一人で自転車に乗って来院した。

    四十八回目の治療時、眼科医に「オペの必要は無く快復が早い部類に入る」と言われたとのことだった。

    最終的には、合計で八十五回の治療で終了した。

    動眼神経麻痺に対して鍼灸ができること

    動眼神経麻痺で手術適応となっていない場合、ビタミンの投与だけで、あとは神経の再生を受け身で待つのみになります。

    そこに鍼灸治療が加わることで、

    眼球局所の血流を促し、一旦は麻痺状態となった動眼神経の再生を促進する可能性。

    神経が再生するまでの間、刺鍼による筋刺激により、筋の萎縮が防止できる可能性。

    積極的な治療法の無いこうした動眼神経麻痺に伴う眼瞼下垂状態に対し鍼灸治療を併用することは、患者さんの精神状態にも好影響を与えQOLを高めるとともに患者さん自身の内在性治癒力を高め神経機能回復を促す可能性。

    といったメリットが考えられるので、積極的に鍼灸を受けたほうがよいと言えます。

    実際に鍼灸を受けた患者さんの声

    交通事故により受傷して、はや3年の月日が経過しようとしています。

    現在に至るも、上下方向の複視及び瞳孔の散大がやや認められますが、おかげさまで歯科治療の現場への復帰、あるいは車の運転が可能となるに至りました。

    鍼灸治療を受診して実感したのは、神経系の治療(今回は外傷性の神経マヒですが)に大きな効果があるのではないかということです。鍼灸治療後の神経の活性化を実感したことは一度や二度ではありませんでした。

    このような経験をしたことで、疾病を治癒させるには西洋医学、東洋医学を併用することにより、よりよい方向性を見い出せるのではないかと思います。

    例えば、私の仕事では「親知らず」を抜歯後に、軽度の神経マヒを経験することがありますが、このような場合には薬剤投与のみならず鍼灸治療を併用するとよいのではないかと考えます。

    いずれにしても、現在の状態まで回復した要因の1つに鍼灸治療があると感じます。

    大成堂中医針灸院 院長 藤田先生には感謝に絶えません。

     

  • 産後1か月後に顔面の帯状疱疹後神経痛になった伊勢崎市30代女性【改善事例】

    患者

    34歳 女性 群馬県 伊勢崎市

    主訴

    帯状疱疹後神経痛 めまい 背部痛  

    症状

    九ヶ月前に出産し、その一ヶ月後に帯状疱疹になる。

    皮膚科でゾビラックスを処方され、帯状疱疹は治ったが、その後神経痛が発生する。

    帯状疱疹発症から一ヶ月後よりペインクリニックに通院し、五苓散、リリカ、ノイロトロピンなどを服用してきている。

    現在、額の左側に、神経痛としての痛みというよりも、硬い・鉄板が入っているような感じ・まぶたが重いなどの感覚がある。

    その他の症状

    右耳のめまい感。

    出産前に新幹線に乗っている時に、ふわーっと右側だけめまいを感じ、それ以来ずっとその感覚がある。

    何かに集中している時は気にならないこともある。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    頸椎の問題、椎骨脳底動脈不全が認められ、また経絡では陽明経、小陽経、太陽経に問題があるので、それに対する治療もおこなった。

    使用したツボは、陰谷 曲泉 内庭 崑崙 陰陵泉 四瀆 etc

    経過

    一回目の治療後、額の感覚は同じ。右耳のめまい感は軽減。

    二回目の治療後、額の感覚を忘れる時間が出てきた。

    三回目の治療後、額の感覚を忘れる時間が長くなってくる。右耳のめまい感も軽減。

    四回目の治療後、忘れる時間が更に長くなり、感覚の程度も軽減してきた。

    八回目の治療後、額の感覚はかなり薄くなってきた。

    右耳のめまい感、ふらつきは普通に生活している時は大丈夫。

    三ヶ月間、同様のペースで治療を継続した結果、疲労や寒さで額の違和感がやや強くなることがあるが、治療開始時の状態と比べれば非常に軽微になり、めまい感はほとんど無い状態になる。

    その後も、メンテナンスの意味も含めて月に二回の治療を三ヶ月、月に一回の治療を半年継続した。

    その経過で、ほぼ額の違和感もない状態になっていた。

    引っ越しで遠くに行くことになり、治療を終了とした。

    治療のふりかえり

    帯状疱疹後神経痛は難治性の痛みです。

    実際、高齢者や、発症してから長時間経っている場合は治りにくいことを経験しています。

    この患者さんは、三十代と若く、また発症してから時間も経っていなかったこともあり、スムーズに症状が改善していきました。

    右耳だけめまいというのは珍しい症状でしたが、耳につながる経絡に対しての治療で、こちらもスムーズに改善していきました。

    頸椎に問題があり、頸椎を流れる椎骨動脈の血流にも問題がありました。

    ここを改善させることを主目的として、プラス耳と額につながるツボを選び治療をしたことが功を奏しました。

  • 【改善事例】睡眠障害・ナルコレプシーに悩む30代男性にお灸で喝を入れる

    32歳 男性 群馬県 伊勢崎市

    主訴

    深く眠れない 睡眠障害 ナルコレプシー 肩こり 足のむくみ 目の周りの痛みとクマ 

    症状

    4ヶ月前にナルコレプシーと診断される。

    2年程前より、日中ぼーっとしたり、ろれつが回らないい、朝早く目が覚めてしまう、夜更かししても短時間で目が覚めてしまうなどの状態があった。

    夢を多く見る。

    目の周りが重痛く、クマも出てしまっている。

    夜は布団に入って三分で寝てしまうが、眠りが浅く、短時間で目が覚めてしまう。

    仕事でストレスが強く、体重増加、便通が悪い。

    体の芯が2年前ぐらいから寒い。

    20歳の時に、バイク事故で右足首を脱臼骨折した。

    右脚が非常に冷える。

    治療

    週一回のペースで治療をスタート。

    お腹が冷えていて、特に肝の部分が硬い。

    肝は東洋医学で睡眠と関係が深い五臓の一つなので、肝の問題が大きいことがうかがえた。

    このお腹をゆるめ、めぐりをよくしていくことを基本方針として、更に目の周りのツボで目周囲の緊張を取り除き、めぐりを良くしていくことにした。

    また、目周囲のツボは脳との関係もあり、とくにナルコレプシーは視床下部のホルモン分泌異常が原因と呼ばれていることもあって、視床下部と関係のある目周囲のツボを意識して使用した。

    冷えも強いので、お灸も多用した。

    使ったツボは、攅竹 魚腰 五処 太衝 曲池 百会 背部兪穴など。

    経過

    一回目の治療後、2、3日体が暖かかった。

    二回目の治療後、週末になってくると右目があかなくなったり、右肩右脚がつったりする。

    三回目の治療、体の状態が10→3~5程度に良くなってきた。夢が少なくなった。

    五回の治療で、睡眠の質が良くなってきているのを感じられるようになった。体が暖かい。

    その後も週一のペースで治療を継続し、三ヶ月を経過したところで良い状態が維持できているので、治療間隔を二週に一回に広げた。

    二週間に一回だと、治療の前々日ごろから調子が悪くなってくるので、ギリギリ治療の効果が持つか持たないかとのこと。 

    その後も、体の状態を維持しつつ、月二回のペースでの治療を継続し、徐々に睡眠の状態は良くなっていった。

    一年が経過して、三週に一回に治療間隔を広げる。

    三週目の最後の時に、状態がやや悪くなる程度になった。

    ナルコレプシーとは?

    オレキシンと呼ばれる視床下部から分泌される神経伝達物質の分泌が低下するためといわれている。

    日中突然の眠気に襲われ、寝入ってしまうことや、入眠時の金縛りなど、睡眠にまつわる障害がでる病気です。

    夜間の睡眠をしっかりととることも対策の一つであり、この患者さんは夜の睡眠の質が良くなかったのが、治療を継続していくなかで質の良い睡眠がとれるようになり、それが日中の状態の良さにつながったように見受けられる。

    冷えの体質も、睡眠の質に悪影響を与えていたと思われ、お灸がかなり奏効したように感じられた。

    お灸で喝をいれる

    この患者さんは冷えが強く、交通事故で骨折し手術をした右脚と、体全体の冷えを持っていました。

    鍼で血流を促進させることでの冷えの対策の他に、お灸によって直接熱を加える治療が不可欠でした。

    お灸をしたツボは、背中から腰にかけての、背兪と呼ばれるツボでした。

    毎回、全部で6か所のツボに少し熱めのお灸をしていったのですが、お灸をするたびに「うー、しみるー」と言いながら悶えていました。

    仰向けで鍼をして、少し休んでもらうのですが、その時にほぼ寝入ってしまい、そのまま帰ると頭がボーッとしたままになってしまうじょうたいでしたので、背中のお灸で喝をいれて目を覚まさせるという意味もありました。

    毎回、右足がにお湯が流れるように暖かくなると言っていました。

    セルフ灸もずっと続けていて、冷えの体質も改善できたケースでした。

    セルフ灸は、しっかりと続けると冷えの体質も変えていってくれますので、おススメです。

     

  • 【改善事例】5年以上顔のピクピクが止まらない

    33歳 女性 会社員 邑楽郡

    主訴

    顔面痙攣 顔のピクピク 

    症状

    5,6年前から左の鼻の横がピクピクするようになったのが始まり。

    だんだんとピクピク痙攣する場所が広がって、左目の下、左目の上、右鼻までもピクピクするようななってきていました。

    1ヶ月前にボトックスを注射して、左鼻の横だけは軽くなったものの、そのほかの場所は痙攣は変わりませんでした。

    他の鍼灸院で、鍼治療を3ヶ月ほど受けても痙攣は変わりませんでした。

    1週間前より、抑肝散という漢方薬を飲むようになって、少し良いような気がしているとのこと。

    来年結婚を考えているが、この状態だと結婚できないので、それが一番の悩みだと言われていました。

    治療

    大成堂に来院する前に行った鍼灸院では、顔に直接たくさんの鍼を刺されたそうです。

    顔面麻痺ではなく、顔面痙攣の場合は、直接顔に鍼をしない方が治ります。

    顔から、首、肩まで緊張が強かったので、それを直接その部分には鍼をせずに緩めていきました。

    また、顔のピクピク、顔面痙攣には特効穴がありますので、それも使って治療をしていきました。

    経過

    週に一回のペースで治療。

    初回の治療で、右の鼻の横のピクピクはほとんど出なくなりました。

    2回目の治療で、右はほぼ大丈夫の状態に、左も目の上下が少しピクピクするのみに。

    3回目の治療で、左もこわばり感があるのみで、ピクピクはしなくなりました。

    5回の治療で、右はまったく違和感もない状態。左は違和感がある程度でピクピクは無くなりました。

    その後も、2週に一回、月に一回と治療間隔を広げていきましたが、ピクピクが出ることはありませんでした。

    現在も月に一回のペースで予防、メンテナンスの目的で通われていますが、疲労やストレスがたまって体調が悪い時に、左の顔に違和感を感じる程度です。

    顔面痙攣は顔に鍼をしない

    院長である私(藤田)が、天津に鍼の名人を訪ねて修行をしていた時の話です。

    ちょうど同時期に、顔面麻痺患者さんと、顔面痙攣の患者さんがやって来ました。

    麻痺と痙攣の違いはありましたが、同じ顔の症状にもかかわらず、

    その鍼の名人は、二人に対してまったく違うツボを使って治療をしたのでした。

    顔面麻痺の患者さんには直接顔に鍼をして、

    顔面痙攣の患者さんには顔に鍼をしない対照的な治療が鮮明に記憶に残ったものでした。

    大成堂の顔面痙攣の治療は、この流れをくむものです。

    そして、私自身が一度顔面のピクピクが長く続いたことがあり、その時に見つけたピクピクを止める特効穴を組み合わせて治療していくものです。