カテゴリー: 腰痛

  • 【改善事例】お酒を飲むと首肩背中がこってきてしまう、スキューバが好きな53歳男性

    患者

    53歳 男性 群馬県 北群馬郡

    初診

    平成27年7月

    主訴

    首 肩 背中のこり 腰痛

    症状

    20代後半から肩こりを感じるようになり、35才ごろより背中の張りまで出るようになる。

    夜寝ている時に、大胸筋の凝りで目が覚めるようになった。

    天候の悪い日、雨の前に状態が悪くなっていたが、最近ではそれほど影響を受けないようになってきた。

    肩こりがひどくなってくると、頭痛も出てきて、気持ち悪くなる。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    頸椎の問題、椎骨脳底動脈の問題、瘀血の問題、菱形筋に問題があり、それに対する治療をおこなった。

    使用したツボは、三陰交 陰陵泉 四瀆 生辺 膏肓 崑崙 天柱 風池 etc

    経過

    一回目の治療後、10→4程度に軽減。今日は6~7に戻った。

    三回目の治療後、全体的には大丈夫な状態。昨日はやや肩が張っていた。

    夏は体調をくずしやすく、頭痛、手の震えがでることがある。

    四回目の治療時、円形脱毛症の相談を受け、その治療も加える。

    ※症状が改善してきたため、ここから二週に一回の治療ペースに変更。

    その後二ヶ月間、四回の治療をおこない、症状安定しているので略治として終了となる。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    半年後に、突発性難聴になり発症一週間後に来院。

    病院でステロイド治療を受けている。

    週一回の治療で合計三回の治療で、耳の問題は無くなり略治として終了。

    治療のふりかえり

    この患者さんは、大成堂に通院されていた職場の同僚に紹介されて来院された方でした。

    肩こりがひどく、頭痛にまで発展することもありました。

    治療の経過中に、上司がストレスとなり、円形脱毛症になってしまいます。

    そのため、その治療も同時に行っていきました。

    ストレスを受けると体に出やすい状況で、後に突発性難聴にもなってしまいました。

    肩こり、円形脱毛症、突発性難聴とも、ストレスが原因で起こりうる症状です。

    東洋医学では「肝」の問題になってきます。

    ストレスによって「肝」の働きに影響が及ぶと「気」のめぐりが悪くなります。

    「気」のめぐりが悪くなると「血」のめぐりも悪くなり、「血余」と呼ばれる髪に栄養が行かず脱毛してしまいます。

    突発性難聴は、ウイルスの感染と血流障害が原因と西洋医学的には考えられていますが、東洋医学からも「血」のめぐりが悪いことで発症すると考えます。

    以上から、東洋医学的な考えでは、気血をめぐらせることで、三つの違った症状が一つの治療方針で改善させることができたわけです。

  • 【改善事例】腰、肩関、大腿といろいろ体を痛めるゴルフ好きの社長60代男性

    患者

    61歳 男性 群馬県 邑楽郡

    初診

    平成21年7月

    主訴

    腰痛

    症状

    2週間前に草刈りでずっと中腰になって作業をしていて痛めた。

    日常生活には大きな支障はないが、常に痛みを感じていて、特に後屈、左回旋で強く痛みを感じる。

    左ふくらはぎが良くこむら返りを起こす。

    左上腕が、この1~2ヶ月ゴルフのスイングなどの動作時に痛みを感じるのでアイシングをしている。

    朝一時間の散歩している。

    加圧トレーニングを週に最低一回で、もう四年間している。

    軽い血圧の薬を服用で、血圧135~/90~。不整脈あり。

    中性脂肪を指摘されている。糖尿で、空腹時血糖121。

    食事が遅く、食べてすぐ寝てしまう。

    治療

    腰は、単純な筋筋膜性の腰痛だが、糖代謝の異常、瘀血の問題も存在しているため、あわせて治療していった。

    糖代謝の異常は、実は筋のトラブルの要因となり、瘀血は心臓血管のトラブルにも関連があるので、この患者さんの場合、重要度が高い。

    使用したツボは、中封 太白 陰陵泉 関門 郄門 屈伸 内環跳 L5夾脊 etc

    経過

    一回目の治療後、当日から2~3日後までは調子よく、その後だんだんもとに戻っていった。現在は10→7程度。現在は、後屈してもそれほど痛まない。

    二回目の治療後、かなり痛みが軽減していたが、しばらく来院できず(一ヶ月後)また痛みが強くなってきた。

    三回の治療でほとんど痛み無く、略治として一旦治療終了。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    一年後、再び来院。

    1週間前から腰が重い。ゴルフをした次の日から出てきた。

    ゴルフをした次の日から痛みが出てきたことから、今回も単純な筋筋膜性腰痛と考えられる。

    治療は、一年前のと同様。

    一回目の治療後、10→5に軽減。

    二回目の治療後、最初は10→5から、現在は5→3に。

    三回目の治療後、だるさを感じる程度。

    四回目の治療後、ほぼ痛みは無くなった。

    全五回の治療で、略治として治療を終了。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    半年後、今回は左太もも内転筋の痛みを訴えて再び来院。

    屋根に上って作業をして痛めた。

    また左肩の痛みがあり、ゴルフのスイングに影響がある。

    一週間に一回のペースでの治療。

    一回目の治療後、左内転筋の痛みは同じ程度、押しての痛みは軽くなっている。

    二回目の治療後、左内転筋は10→3程度に。左肩は10→8程度。

    四回目の治療後、左内転筋は日常生活では大丈夫。ストレッチで脚を大きく開いた時に、まだ伸びない感覚がある。左肩は、日常生活では10→3に、ゴルフのスイング時の痛みはまだ残っている。

    五回目の治療後、直後は非常に調子が良くなるが、その後徐々に悪くなってくる。

    六回目の治療後、左肩の状態は非常に良く10→1~2程度に。

    風邪をひいて来院できず、一ヶ月後に最来院。

    間が空いたら、左肩の状態がやや後退した。

    以後も、週一回のペースで三ヶ月間来院。

    左内転筋、左肩ともに、痛みもほぼなくなり、ゴルフにも支障がなくなったため、略治として治療を終了。

    治療のふりかえり

    この患者さんは、循環器系の問題、消化器系の問題、代謝系の問題と、いろいろと内臓の問題を持っていましたが、最初の主訴の腰痛は、それら内臓の問題はダイレクトに関与しておらず、単純な筋肉のトラブルによる痛みでした。

    そのため、適切に筋を緩めることで、速やかに痛みは取れていきました。

    また、ゴルフを熱心にしているので、それによって腰、肩を痛めることがありましたが、その都度来院し、治療を受けることで改善しました。

    更に、ゴルフのパフォーマンスを高めるための治療も同時に行いました。

    スポーツのパフォーマンス向上に鍼灸は非常に有効です。

  • 【改善事例】壮絶な過去を持つも、明るく前向きな80代女性 首肩腰の痛み

    80歳 女性 群馬県 利根郡

    主訴

    首肩こり 腰痛

    症状

    3ヶ月前から首肩が凝って、痛みを感じるぐらい。

    その前から首肩こりはしょっちゅう感じていた。

    1ヶ月前に右腰を歩いている時に痛める。右大腿までだるさを感じる。

    血圧が高く、服薬をしてコントロールしている。

    50年前、帝王切開。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    瘀血、椎骨脳底動脈血流不全、首肩の筋緊張、腰殿筋緊張等の問題があり、それに対する治療をおこなった。

    使用したツボは、中封 陰陵泉 四瀆 三脘 陰交 環跳 志室 生辺 etc

    経過

    一回目の治療後、腰は10→5程度に。首肩は10→3程度に軽減。

    自宅で臀部にお灸をしていると、大腿まで響きが広がる感じ。

    二回目の治療後、首はほとんど大丈夫。肩こりはあり。

    腰ずいぶん楽になった。臀部から大腿まではまだ病める感じ。

    三回目の治療後、腰は良い。大腿の病める感じは、日常生活では大丈夫なレベルにまで軽減。

    この後も、同じペースで治療を継続。山に登ったり、仕事をしたり、歩きすぎたりと、いろいろ無理をすると病める感じが強くなるが、ひどくなることは無く、自宅でのお灸と週一回の治療で引き続き改善していった。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    3ヶ月経った時、転倒して膝を打ち、膝の痛みを訴えるようになる。

    それまでの治療プラス膝の治療で対応していき、二回で膝は改善。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    それから2ヶ月後の時、肩甲骨内縁に強い痛みを感じるようになったと訴えたため、そこの治療をプラスした。

    加えたツボは、大敦 膏肓

    三回の治療で改善

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    初診から半年たち、冬に入った。

    この患者さんは、川場村から来院しているので、雪による道路事情もあり、また調子も良いので一旦治療休止。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    翌年の春に再び来院する。

    冬の間に狭心症になったとのことだった。

    治療としては、腰を中心とした。

    仕事で無理をすると、腰が病める。

    一ヶ月半ほど治療を継続し、ほとんど痛まない程度に。

    更に同様の治療を半年間継続していき、調子良い状態をキープしていった。

    また冬になり、状態も良いので、略治として治療を終了した。

    落盤事故で家族を失った過去

    この患者さんは、非常に素直な性格で純粋な方だったこともあり、反応が非常によく治療を楽に進められました。

    80歳という高齢にも関わらず、家では自分で家事全般をこなし、いろいろな仕事を精力的にしている方でした。

    大成堂から遠く離れたところから、娘さんに車に乗せてもらい毎週まじめに通われていました。

    治療の最中に伺ったのですが、50年前この患者さんは、山の集落で落盤事故に遭います。

    集落の大半が土砂に飲み込まれ、この患者さんのご家族が全員亡くなってしまったそうです。

    患者さん本人は奇跡的に助かったものの、体を動かせない状態になってしまい、長期入院したとのことでした。

    どれだけの悲しみを経験したのでしょうか?

    ご主人、お子さんをみな亡くし、ご自身も麻痺になってしまうとは。

    ですが、麻痺を克服し、悲しみを克服し、そんなことがあったことを微塵も感じさせない、優しく純粋なおばあちゃんという感じの方でした。

    熊や猪の肉が手に入ったと言っては、持って来てくれたり、果物が手に入ったと言っては持って来てくれたりしました。

    途中からは、送迎でついてきていた娘さんも一緒に治療をすることになり、並んで治療をおこなっていました。

    明るく前向きな患者さんに、いつしか治療をすることが待ち遠しく感じるようになっていたケースでした。

  • 【改善事例】手術をしようか迷っている椎間板圧迫による腰痛の40代男性

    43歳 男性 群馬県 伊勢崎市

    主訴

    腰痛 椎間板圧迫

    症状

    7年前にぎっくり腰になり、注射で良くなるが、すぐに動き出してしまって再びぎっくり腰になり、二回目の注射でまた調子よくなると繰り返したことがあった。

    三、四年経って、年齢を重ねてきて、体力の低下から腰の状態が悪くなってきた。

    福島県出身、派遣で群馬に出てきて、現在は車生産工場に勤務している。

    ライン作業で、右から左の一方通行の作業。

    うつ伏せで寝ると5分で腰が痛くなる。

    あぐらで座っているとすぐに足がしびれてくる。

    病院では、椎間板圧迫による腰痛と診断されたとのこと。

    手術も考えているが、現在は仕事の関係で先延ばしにしている。

    治療

    週一回のペースで治療をスタート。

    腹部から大腰筋を緩める按腹をおこない、その後腰、首を

    経過

    一回目の治療で、腰も首も軽くなる。脚の血のめぐりも良くなった。

    治療後、2,3日の間が一番楽だった。

    二回目の治療で、足先まで血行がめぐるようになった。

    腰は全体が痛かったのが、悪いところ(椎間板)がはっきりわかるようになってきた。

    四回の治療で、腰の痛みは10→5程度に軽減。

    五回目の治療は2週間後にしたが、2週間は調子の良さが持つようになったとのこと。

    ゴルフやボーリングをしても、以前のような酷い状態にはならない。

    仕事のライン作業が大変で疲労が強い。

    合計七回の治療で、腰の状態も落ち着いてきたこともあったためか、一時期来院が途絶える。

    その1ヶ月後、突然来院。

    この時の主訴は腰痛ではなくて、両肘の痛み。

    ライン作業がハードで、両手を酷使しているため、肘に痛みを感じるようになってきた。

    肘の内側が手首を掌屈すると痛い。これはいわゆる野球肘と同じ状態。

    腰もやや痛みがあるので、肘の治療を中心に、腰の治療も加えた。

    2週に一回来院。

    途中、腰は治療をすると軽くなりすぎるとのことで、軽めの治療をすることに。

    毎回治療直後、肘も腰も楽になって帰っていき、ハードな仕事でまたぶり返すのを繰り返すが、全体的には楽になっていった。

    五回の治療経過時、仕事が忙しくて来院できない状況になってしまい中断。

    3ヶ月後に久々に来院、自動車工場の仕事を辞めていた。

    3日前にぎっくり腰になったとのことで、その治療を希望し来院。

    はじめて大成堂に来院した時に主訴となっていた椎間板圧迫は、病院ですでに治っていると言われたとのこと。

    今回の腰痛は、それとは別物のぎっくり腰。

    治療後、痛み消失し帰って行った。

     

    椎間板圧迫による腰痛?

    患者さんの話では、病院で椎間板圧迫による腰痛だと診断されたとのことでした。

    医学的に正式には椎間板圧迫という言葉はありません。

    どんな状態なのかを考えると、椎間板圧迫によりヘルニアが起こっている状態かと思われます。

    この患者さんは手術を検討されていました。

    初回の鍼灸治療を受け、非常に状態が良くなり、そこから継続して来院されていました。

    それでも、最終的には手術を受けるつもりで、単に仕事の都合で先延ばしにしていただけでした。

    ところが、最終的には手術をせずに、椎間板圧迫は治っていると病院で診断されたため、手術も回避することができました。

    椎間板ヘルニアは、ヘルニアの出方によって、手術をしなければ改善することはない状態もありますが、時間経過とともにヘルニアが吸収されて最終的には良くなる状態もあります。

    椎間板の血流を増加させることで、ヘルニアの吸収を促すことは十分考えられます。

    また椎骨を支える筋肉を緩めることで、痛みを軽減することもできます。

    このため、椎間板圧迫によるヘルニアも、鍼灸が適応のケースが多くあるということを知っておくとよいかと思われます。