カテゴリー: 坐骨神経痛

  • 【改善事例】坐骨神経痛ではない左臀部から左太もも外側の痛みが、一ヶ月前から続く83歳Tさんの改善までの経緯

    患者

    Tさん 83歳 女性 群馬県 伊勢崎市

    初診

    平成28年11月3日

    主訴

    左臀部外側の痛み 左太もも外側の痛み

    症状

    一年前、ベッドから降りるときに転倒して腰の骨を圧迫骨折して一ヶ月入院した。

    その後はリハビリをつづけ、現在はディサービスで週一回運動、リハビリをしている。

    そういった中、一ヶ月前に本箱や自転車など家の片付けしたところ、次の日から左のお尻から太もも外側の痛みが出るように。

    整形外科でブロック注射を受けたところ、三日間めまいが出現した。

    現在の痛みのレベルは10→7~8程度になっている。

    朝起きた時が一番痛い。

    この左側の痛みが出る前には、右の太もも外側の痛みがあった。

    検査

    体を診ていくと、左の小殿筋に強い圧痛があった。

    小殿筋は、お尻の横にある筋肉で、大腿骨の大転子のすぐ上に存在する筋肉。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    症状の出方と検査の結果より、小殿筋のトリガーポイントの存在が確定的だった。

    治療は小殿筋のトリガーポイントを消失させることを目的に行った。

    トリガーポイントを効果的に消失させるため、大成堂の裏メニュー剛の鍼による群鍼をおこなった。

    使用したツボは、左小殿筋トリガーポイント 左風市 etc

    経過

    二回目の治療(11月10日)、前回治療後、痛みは不変だった。

    三回目の治療(11月19日)、一昨日痛みが非常に強い。

    左臀部の上の部分の痛みは無くなったが、大転子付近の痛みは不変。

    自宅灸では、現在せんねん灸のニンニクを使っているが、所々以外は熱さを感じない。

    四回目の治療(12月1日)、昨日は非常に痛く10→7~8レベル。今日は10→6レベル。

    五回目の治療(12月15日)、昨日は痛くて、今朝はとても痛かった。調子良い時は10→5程度。

    六回目の治療(12月29日)、痛みレベル10→2~3程度に。

    ※痛みが軽減し状態が良くなってきているので、月に一回程度の治療に変更。

    七回目の治療(平成29年1月21日)、痛みレベル10→2~3。

    八回目の治療(2月9日)、だいぶ良くなってきた。

    九回目の治療(3月1日)、痛みは無く違和感を感じるのみ。

    ※略治として治療を終了。

    治療のふりかえり

    この患者さんは、以前頭痛の治療に通われていた患者さんのお母さんで、娘さんに紹介されて来院されました。

    83歳とご高齢でしたが非常に元気で、この痛みさえなければ体には問題がないのにと言っているほどでした。

    朝起きがけの時に最も痛みが強く、日中活動をしているとだんだんと痛みが軽くなるのは、筋肉の問題です。

    寝ている間に筋肉が硬直するために朝が一番辛く、動かしている間にだんだんとほぐれてくると楽になってい来るパターンです。

    お尻から太ももまでの痛みというと、一番多いのは梨状筋の問題による坐骨神経痛です。

    これを梨状筋症候群と呼びます。

    坐骨神経痛というと、腰のヘルニアを思い浮かべる人が多いのですが、ヘルニアが原因のケースよりも梨状筋症候群が原因のケースが非常に多くあります。

    お尻から太ももにかけての痛みは小殿筋症候群

    更に問題なのは、このTさんの場合は梨状筋ではなく小殿筋の問題だったことです。

    小殿筋はお尻の横についている筋肉で、股関節を横に上げる時に使う筋肉です。

    梨状筋症候群でさえヘルニアとして見逃されやすいのですが、小殿筋症候群は更に見逃されやすい症状です。

    整形外科やペインクリニックにかかっても、小殿筋のトリガーポイントへアプローチしてもらえずに、苦痛が長引くケースが時々あります。

    小殿筋トリガーポイントへのアプローチは非常に簡単で、小殿筋症候群を知っているかどうかが重要です。

    太ももの外側の痛みには小殿筋症候群をまずは疑ってくださいね。

  • 【改善事例】10年以上前からの手足のほてり、不眠に悩む夜勤勤務の40代男性

    患者

    42歳 男性 群馬県 伊勢崎市

    初診

    平成25年12月

    主訴

    手足の火照り 不眠 膝がだるく力が入らない

    症状

    昔は手足が冷えていたが、気づいたら火照るように。もう10年以上になる。

    以前は冬は大丈夫だったのが、最近は冬も火照るようになる。

    皮膚科、整形外科で診察を受けたことがあるが、特に異常は見つからなかった。

    不眠:だいたい2、3時間で目が覚めて、その後は寝付けない。日中は昼食後に眠くなる。

    膝がだるく、力が入らない。

    食欲正常。便通良。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    手足の火照り、膝がだるいなど腎の弱り(腎陰虚:漢方では六味地黄丸が適応)が示唆された。

    昼勤と夜勤を一週間ごと交代勤務をしているため、睡眠に問題があり不眠も起こしているため、腎に影響が起こったと考えられる。

    このため、腎の弱りを強めること(補腎陰)を主に治療をおこない、併せて瘀血の問題もあるためそれに対する治療もおこなった。

    使用したツボは、中封 照海 兪府 膈兪 脾兪 腎兪 百会 etc

    経過

    一回目の治療後、当日はよく眠れた。

    二回目の治療後、やはり当日は良く眠れた。背中の緊張が緩んで来た。

    三回目の治療後、眠くて眠くてすごかった。当日は火照りも軽減した。

    四回目の治療後、最近よく眠れるようになった。寝つきが良く、朝の寝起きも良い。手足の火照りは不変。

    その後も同様の治療を継続、睡眠は良い状態が続いているが、火照りに関しては一進一退だった。

    一ヶ月経過して、それまで毎日だった火照りが、一週間に二回ほど感じる程度になったが、季節が春に入って気温が高くなってきたら、また火照りがぶり返してきてしまった。

    ここで現況を打開するために、どうしたものかと考えたのですが、火照りに加えてしびれもあるという訴えに着目し、しびれの治療も加えた。

    新しく加えたツボは、上仙、梨状、坐骨、足心。

    この治療を加えた一回目の治療後、二日ほど調子よく火照りが楽だった。

    三回目の治療後、火照りは一日あっただけだった。

    五回目の治療後、火照りは一日あっただけだった。

    その後、火照りはほとんど感じない状態に、それと交代して大腿、下腿、足底の痛みを訴えるようになる。

    それも同様の治療を継続していくことで、スムーズに改善していった。

    ほとんど問題ない状態になり、メンテナンス治療に移行していたが、仕事の転勤で治療は中断となった。

    治療のふりかえり

    この患者さんは、足の火照りを一番の悩みとして訴えていました。

    上記にもありますが、東洋医学では腎陰虚という体の状態の時に火照りが出てきます。

    この腎陰虚を改善するのは簡単ではないので、火照りがどれほど改善していくか完璧には分からない状態での治療スタートでした。

    睡眠の問題は最初の治療から効果がみられ、スムーズに改善していきましたが、火照りは少し良いかと思ったら、またもとに戻るような状況を繰り返していました。

    転帰になったのは、坐骨神経の問題に着目してからでした。

    火照りとともに、しびれを感じると言う訴えから、坐骨神経を解放するための梨状筋治療を加えてから、火照りが一気に改善傾向に向かいました。

    また、足底のツボ「足心」に直接灸をおこないました。

    一般的には熱がある場合は冷やすことがセオリーなのですが、逆説的に熱を加えることで熱を発散させる高等テクニックになります。一歩間違うと、更に火照りが強くなる危険性もあるものです。

    この二つの要素を加えることで、長年の火照りが速やかに改善していったのでした。

     

  • 【改善事例】腰、臀部から坐骨、ふくらはぎまで痛い、スノボ大好きな40代女性

    46歳 女性 群馬県 伊勢崎市

    主訴

    腰、臀部から下肢の痛み めまい

    症状

    二ヶ月ほど前から、腰、両臀部(特に坐骨)、右膝、右ふくらはぎの外側、右足首が痛い。

    整形外科で診てもらうと、仙腸関節が悪いと言われた。

    右ふくらはぎは、仕事でいつも右脚に体重を乗せて作業をしているためだと思うとのこと。

    そのため、右足首も痛い。

    17歳の時に、臀部を強打したことがある。

    24歳の時に車の事故で、胸椎12番の圧迫骨折し腰痛が出るようになった。

    半年ほど前より、めまいが出るようになった。

    現在はだいぶ落ち着いている。仰向けで首を回すと出る程度。

    立ち仕事で、朝8時~夕方5時まで勤務。昨年までは昼夜シフト勤務だった。

    治療

    週に一回のペースで治療をスタート。

    腰、臀部、下腿の局所治療と共に、副腎疲労、椎骨脳底動脈の異常がみられたので、それを改善する治療をおこなった。

    使用したツボは、陰陵泉 照海 四瀆 腰部阿是穴 臀部阿是穴 屈伸 環跳 坐骨etc

    経過

    一回目の治療後、おしりの痛みは半分になった。

    めまいはほとんどない。

    二回目の治療後、おしりの痛み10→2~3程度に。

    仕事をすると強くなるが、以前ほどではない。

    めまいは一度、夜中にトイレで目が覚めて、起き出した時に出現した。

    三回目の治療後、めまいはちょっと感じるぐらい。

    右足首の痛みは強い。

    五回目の治療後、膝の痛みは無くなった。

    めまいは少しクラっとくる程度。

    計六回の治療で、足首10→6、おしり10→6~7、下腿外側10→6程度。

    七回目の治療後、足首10→1~2に。おしり10→5~6。

    この後も、同じペースで治療を継続、良くなっても、仕事での作業がハードになるとまた痛みが出たり、スノーボードシーズンに入り、滑りすぎると痛みが強くなったりして、アップダウンを繰り返していた。

    5ヶ月を経過し、一進一退が続いていたので、治療方針を変更して大成堂の裏メニューである剛の鍼をおこなうことにした。

    そこからは、月に一、二回のペースに治療間隔を広げて半年間経過し、現在はかなり痛みも軽減し、毎週末はスノーボードを楽しんでいる。

    大成堂の裏メニュー「剛の鍼」の詳細はこちら

    辞めないでずっと続けてくださいね!

    この患者さんは、以前行きつけの整体があったのですが、そこがいろいろな理由から閉店してしまったそうです。

    気に入っていた整体院だったので、とても残念でどこに行けばいいのか途方に暮れてしまったそうです。

    その後、縁あって大成堂に来院するようになり、しばらく経った時にその話題になって、この患者さんに言われました。

    「大成堂さんは辞めないでずっと続けてくださいね!」

  • 【改善事例】子供の運動会の前日、臀部の痛みで駈け込んで来た40代女性

    40歳 女性 群馬県 玉村町

    主訴

    臀部の痛み 

    症状

    飛び込みで来院。

    明日、子供の運動会があるのだが、左臀部をギックリ腰のように痛めてしまい、なんとか明日に間に合わせたいとのこと。

    腰を伸ばせない。

    治療

    瘀血と腰臀部の局所の治療をおこなった。

    使用したツボは、中封 太白 L4夾脊穴 屈伸 環跳etc

    経過

    三週間後に来院。

    前回治療翌日、何とか運動会は大丈夫だった。

    現在、臀部はやや違和感がある程度。

    首から肩が気になる。

    頭がふわふわする。

    ストレートネックと言われたことがある。

    前回の治療に加え、椎骨脳底動脈血流の不全を解消する治療もおこなった。

    加えたツボは四瀆、崑崙、天柱、風池。

    この後、三週から四週に一回のペースで定期的に来院するようになる。

    生理周期にあわせて調子が悪くなったり、強いストレスがあった時に調子が悪くなったり、無理をして体を痛めて調子が悪くなったりと、その時々の体のトラブルに対処している。

    現在、三年経過。

    毎回治療をしていくことで体が楽になるため、定期的に継続して現在も来院中。

    鍼灸をする前に、まずは「治神」から

    この患者さんは、いろいろとストレスを抱えていて、単に体の治療だけでは追いつかない状況でした。

    実の父親との確執や、お子さんのこと、ご主人のこと、さまざまな問題が発生した時に、その悩みを打ち明けられました。

    その悩みに耳を傾けつつ、体の治療をしていきました。

    時には、治療に入る前に長い時間話を聴いたこともありました。

    これは中国医学でいう、「治神」というものになります。

    中国医学の古い書物には「治神」の重要性が書かれていて、体の治療をする前にまず「治神」をせよと書かれています。

    神とは中国医学で、意識、精神活動のことになります。

    それを治すということですので、心に対するアプローチと解釈できます。

    この「治神」を大成堂では重視しているため、結果的に多くの患者さんから「丁寧に話を聴いてもらえる」と言われるようになったのだと思います。

  • 【改善事例】介護の仕事で腰をいためてから坐骨神経痛に悩む60代女性

    63歳 女性 埼玉県 本庄市

    主訴

    右坐骨神経痛 腰から足先まで痛みがあり、特に膝裏が痛い

    症状

    4ヶ月前、介護の仕事で重い人を動かしたときに、腰と臀部に違和感を感じ、徐々に下肢まで痛みが出現するようになる。

    当時、ペインクリニックを受診して、坐骨神経痛と診断され腰と膝にプロック注射をしたが改善せず。

    鍼灸治療も受けたがダメだった。

    歩行時に、痛みで右膝に力が入らない。

    脚の付け根も痛く、歩行が不安定。

    この痛みのためか、肩が凝って仕方ない。

    血圧150/90あったため、服薬し130/80にコントロールされている。

    心音に多少雑音があると指摘されている。

     

    治療

    週一回のペースで治療をスタート。

    坐骨神経痛に関しては、梨状筋に問題があるため、そこを緩める治療を中心におこなった。

    また、瘀血、扁桃弱体化も見られたので、同時にその治療もおこなった。

    使用したツボは、中封 曲池 陰交 中殿筋トリガーポイント 陽陵泉etc

    経過

    一回目の治療直後、歩行時の痛みが軽減し、驚き喜んで帰って行った。

    10→5程度にまで軽減。

    四回目の治療後、10→3程度まで軽減する。

    階段の上り下りはまだぎこちない。

    腰から脚にかけて重くなることがある。

    その後も、10→3程度に安定していた。

    一度階段でガクッとなり、膝に違和感が残りやや腫れることがあったが、合計七回の治療で10→2程度に安定。

    その後も、二週に一回のペースで治療を継続。

    仕事で使い過ぎた時など、違和感がでることがあったが、順調に軽減していき、月に一回のペースにまで間隔を広げ半年間治療を継続。

    ほとんど違和感もなくなったため略治として、治療を終了した。

    坐骨神経痛はヘルニアが原因ではない

    多くの坐骨神経痛は、ヘルニアが原因ではありません。

    整形外科ではレントゲン撮影して少しでも変形していると、「ヘルニアが」とか「骨棘が」とか言い、それを原因にしたがります。

    それが原因の場合も無いことは無いですが、ほとんどのケースでは、それが原因ではありません。

    この患者さんもそうでしたが、梨状筋とか小殿筋、中殿筋などが原因の場合がほとんどです。

    そのため、これらの筋肉にアプローチして、過緊張を緩めることで、坐骨神経痛の症状は速やかに改善していくことが非常に多いのです。

  • 【改善事例】めまい、生理痛、踵のしびれ、他人にも聞こえる耳鳴りに悩む20代女性

    27歳 女性 群馬県 藤岡市

    主訴

    めまい 踵のしびれ 生理痛 他人にも聞こえる耳鳴り

    症状

    1年前にディズニーランドへ行って長時間歩いてから、左大腿外側の痛みが出現した。

    その後その痛みは落ち着き、やや違和感があるのみになる。

    しかし、その3ヶ月後に左足底や踵にしびれが出るようになり、現在までずっと続いている。

    しびれは整形外科で薬をもらったのみで特に診断はされていない。

    半年ほど前にめまいが出現し、現在もふわっとするめまいがする。

    めまいの出現と同時に、右耳が痛くなる。

    その2ヶ月後に耳閉感が出るようになり、ピキピキと音がするようになる。

    この音は他覚的にもピキピキと聞こえる。耳鼻科では原因不明とのこと。

    生理不順。

    生理前、月の半分は調子悪い。

    治療

    週に一回のペースで治療スタート。

    瘀血、副腎疲労、骨盤内血流不全、椎骨脳底動脈血流不全などの状態が見受けられ、それぞれに対応するツボを使用した。

    使用したツボは、中封 陰陵泉 照海 四瀆 環跳 大転子 難聴点etc

    経過

    一回目の治療後、踵のしびれは10→7~8程度に軽減。

    耳のつまる感じ、ふわっとするめまいも軽くなった。

    三回目の治療後、踵のしびれは10→4~8程度になる。

    耳閉感はしばらく無かった。のどのつまり感も感じた。

    五回の治療で、踵のしびれほとんど無くなる。

    耳は不調で、耳閉感はまだ強く感じている。

    しびれがひと段落してきたので、生理の状態をもっと改善させたいということで、引き続き今での治療をおこないながら、女性ホルモンバランス療法も加えることになった。

    一ヶ月後、生理前の状態が依然と比べだいぶ軽くなる。

    しかし、耳閉感、ピキピキと聞こえる耳鳴りは全く変わらない。

    ここで耳の状態を改善させるために、新たなツボを加える。

    その一週間後、耳のピキピキが10→7程度まで軽減した。

    計四回の治療で、耳は10→3程度までに軽減。

    その後、治療ペースを二週間に一回に広げ、同様の治療を継続。

    少し残っている足のしびれや、生理の調整、めまい、耳の状態の更なる改善をしていった。

    三ヶ月間経過し、生理前に少し調子を落とすこともあるが、それ以外はほとんど気にならない状態になり、治療を終了とした。

    坐骨神経痛はヘルニアが原因?

    この患者さんは、若いながらもいろいろな症状に悩まされていました。

    坐骨神経痛の後遺症として踵にしびれが強く、この症状を軽減していくことを最優先にしていきました。

    坐骨神経痛はヘルニアが原因と一般的には考えられますが、実際にはそうでないことが非常に多くあります。

    梨状筋という筋肉が問題のケースがほとんどだと言っても良いものです。

    実際、この患者さんも梨状筋を緩めていくことで、速やかに坐骨神経痛は改善していきました。

    梨状筋を緩めるポイントにお灸をすると、足先までピクんと刺激が通り、少し足が動きます。これは不快な感覚ではなく、患者さんも面白がっていました。

    この現象がでると、非常に効果があります。

    他人にも聞こえる耳鳴り?

    この患者さんを治療していて、効果を出すのが大変だったのがピキピキと聞こえる音でした。

    実際、静かな治療室で、二人とも黙っていると、患者さんの耳からプチッ、ピチッ、というような音が断続的に聞こえていました。

    多分これは、耳と喉の奥をつなぐ「耳管」という管に問題があるのだろうと推測はできました。

    しかし、初めてのケースで、最初はまったく効果を出すことが出来ませんでした。

    坐骨神経痛が改善していく中で、この耳鳴りをどうしたものか考え、あるツボを試しに押したところ、それまで頻繁に聞こえていた音の頻度が少なくなるではありませんか。

    これはしめたと思い、もっと音が少なくなる場所は無いかと思い、ツボを細かく探していくと、ピタッと音が止まるところが見つかり、そこに鍼をしました。

    そのことがあってから、その耳鳴りは改善するようになっていきました。

    一定期間の治療の後、ほとんど気にならないレベルまで音がしなくなったのでした。

    生理痛はなくてあたりまえ?

    生理痛もあるとのことで、そちらも女性ホルモンバランス療法で対処しました。

    基本的に、20代女性で、器質的な疾患が無い場合、生理痛の痛みを改善させることは簡単です。

    治療を開始して一回目の生理から薬を飲まなくても良くなるケースは多く、多くても三回目の生理までには軽減していることがほとんどです。

    女性の生理で痛みが起こる事は、本来は普通ではないことなので、器質的な疾患が無い限り、生理痛があることがおかしいのです。

    なお、器質的な疾患があっても、無い場合よりは時間がかかりますが、改善していく場合の方が多いことを付け加えておきます。

     

  • 【改善事例】お客さんへのマッサージ時に太ももの痛みを感じる40代女性セラピスト

    43歳 女性 群馬県 前橋市

    主訴

    右太もも外側の痛み 

    症状

    セラピストでリラクゼーションをしている。

    四ヶ月前、職場で立っている時に、右太ももの外側に痛みを感じるようになる。

    年末のことで、お店も忙しく激務だった。

    その一週間後に整形外科を受診すると、筋力低下があるといわれリハビリをした。

    またMRIを撮り、筋肉と骨の間の炎症だと言われ、鎮痛剤・ロキソニンと胃薬が処方された。

    仕事で中腰をしている時に痛みを感じ、仕事が忙しかった翌朝は、打撲のような痛みに悩まされている。

    年に1、2回ぎっくり腰になる。

    子宮筋腫がある。

    治療

    週一回のペースで治療をスタート。

    血のめぐりの悪さによる瘀血を取り除く治療、

    右大腿外側の痛みを起こしている大腿筋膜張筋を緩める治療、

    右梨状筋、中殿筋、小殿筋を緩める治療をおこなっていった。

    経過

    一回目の治療で、右大腿外側の痛みは、10→3~4程度になるが、数日後に7程度まで戻ってしまった。

    二回目の治療で、日常生活では気にならない程度になった。

    すでに瘀血の反応は消えているので、瘀血の治療は無しにした。

    五回の治療で10→2程度となり、押すと痛みを感じる程度になったため、二週に一回に、そしてすぐに月一の治療間隔に広げる。

    月一ペースで一年間の治療をおこない、右大腿外側の痛みは問題ない状態になる。

    この治療過程で、寝違えになって首の治療をしたこともあった。 

    臀部の筋肉と子宮筋腫

    この患者さんの右大腿外側の痛みは、大腿筋膜張筋という筋肉に問題がおこり痛みが出ている状態でした。

    これは、セラピストの仕事で、リラクゼーションマッサージをする姿勢が関係しています。

    ただ大腿筋膜張筋のみの問題ではなく、股関節を支える中、小殿筋や梨状筋の過緊張がその原因と考えられます。

    この患者さんは子宮筋腫を持っていました。

    臀部の筋肉は骨盤内の血流との関係が深く、例えば不妊症などでは、臀部の筋肉を緩めることが重要な治療の一環となります。

    子宮筋腫の原因としても、大腿筋膜張筋の痛みの原因としても、臀部の諸筋群の過緊張が関与していることがうかがえました。